システム開発してへん人のScrum【 わたしの中のクイックウィン 】

1年間InsurTechラボを兼務して非IT部門のメンバーがScrumを通して学んだこと、思ったこと、自分の中で変わったこと、それと自分の中の小さな成功体験をここで(関西弁で)紹介させてください。

(この記事はアドベントカレンダー202306の5日目の記事として書いています)

自分の仕事を言語化して要約する

・去年の今頃「システム開発してへん人のScrum」を書いてから、もう1年経った。早かったー。

・「また記事を書いてみよ」と積極的に思ったわけではないけど、「言われたから書く」のモチベーションでは書き切られへん気がしたから、自分なりの書く理由を考えてみる。

・担当していることにもよりけりなんやろけど、やったこととか考えたこと、自分なりのサイクルでふりかえりしてダンプアウトしとかんと、去年のことやったんか今年のことなんか、すぐ分からんようになる気がするし、何を思たんかなんてきっとキレイサッパリやろ。自分のメモリはあんましアテにならへん。書いて言語化しとくのは大事なこと。

【言語化できない人間はAIに置き換えられる】

・おまけに今回は六芒星の一翼を担う「③大切な人から認められる」活動の「ラボメンバーが社外に発信している」ということになる。(ほんまはこっちの理由が優先なんやろけど。)

【板チョコの「溝」←割るためにあるわけではありません】

非IT部門のメンバー、Scrum1年間の効果

・昨年1年間、同じチームのメンバーのほとんどがローコードツール調査、活用、展開を目指してスプリントを回してる横ちょで「アジャイルの社内展開施策」を検討してた。初めてScrumを実践する人が手順通り進められる“Agile Playbook”とか、アジャイルに興味を持ち始めた初学者がもう一歩興味を進められる“Agile Introductions”とかを社内環境につくってイントラに載せたりした。

・そんなんScrumでやる必要ある?て思われるかもやけど、Scrumでやった効果はあったと思う。

・効果その1はスプリントのタイムボックス。企画スタッフ(全社)部門でパワポの資料とか説明・紹介用の社内ページとか作るのって、なかなか終着点が見えへん。資料の見た目とかってこだわり出すとなんぼでも修正、変更できるし、内容に直接関係せんようなとこにどんだけ時間かけんの?みたいなところがある。

 【パーキンソンの第1の法則】仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するWikipedia

 

・けどScrumは決められたタイムボックスで設定したゴールを目指す。2週間のスプリント期間で、部分的にでも形にしてスプリントレビューでフィードバックもろて、次のスプリントのインクリメント(私の場合には イントラのページ)に反映する。掛けられる時間に制約がある、というのは(窮屈な時もあるけど)スケジュールを自分でコントロールできている、という実感と達成感があるような気がする。

                                

・効果その2はスプリントレビュー。1人で何かをこりこり作るんは苦にならへんけど、どうしても自分の中のありきたりのものになってしもて、始めたときの楽しさがどんどんしぼんでいく感じになるねんけど。2週間ごとのスプリントレビューでチームのメンバーやPOからいろいろ意見が出る。社内環境やから何でもできるわけやないし、もちろん意見の全部が効果的なものやないけど、それでも1人では気づかへんし思いつかへん。

 「そらできたらえんやろけど」ってイメージをそのままでなくても、どうやったら近いものになるか考えるのはそれなりに楽しいし、何となくでもイメージに寄せることができると、結構うれしい。

AI音声合成ソフトは関西弁をしゃべれるか

・初学者向けの“Agile Introductions”は、キャッチーで「なんかアジャイルっておもしろそう」と思ってもらえることを目指して、イントラページにAI音声合成ソフトで「アジャイルの誤解と正しい回答」の音声ファイルを設置、ってとこで止めといたらよかったんやけど「どうせなら関西弁にしたほうが」て考えてしもた。

・AI音声合成ソフトに「関西弁バージョン」はないので、標準語のアクセントやイントネーションを単語や文節ごとに修正してつなぎ合わせる。普段しゃべってても「これ標準語と何がちゃうんやろ」とか考えたりせぇへんし、単語のイントネーションとか修正しているうちに何が正しいんか分からんようになってくるし。

【ゲシュタルト崩壊】知覚における現象のひとつ。全体性を持ったまとまりのある構造から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。幾何学図形、文字、顔など、視覚的なものがよく知られているが、聴覚や皮膚感覚、味覚、嗅覚においても生じうる。Wikipedia

 そうそう。聴覚でも生じうる。

・かなりの時間と労力をかけて、なんとなく関西方面の方言風に聞こえるようにはなったけど、まだヘタクソでどこの地方にもない独特の訛りがあって、気持ち悪さが残る。とはいえ、どう変更すればもっとよくなるのかの答えも見つからないので、ひとまず音声ファイル化してサイトに設置。

・随分経ってから、使ってるAI音声合成ソフトのチャンネルで、標準語を関西弁に修正する動画を発見。

 【YouTube】最新AI音声合成ソフトvoicepeakで方言にチャレンジ!

 

「なんでやねん」の一言でこんだけ手数がかかるて分かってたら、早々にあきらめてた。とは言え、この試行錯誤はかなり楽しかった。しゃべりの間とか苦手な言葉とか(※)、初めて使うAI音声合成ソフトにしっかり慣れることができたと思う。いつか、もうちょっとマシな関西弁にアップデートしたいねんけどなー。

(※)句読点は多めに入れたほうが人に近いとか、“1.25倍”は「いってんにごばい」となるので「いってんにぃごぉばい」に修正せな、とか。

・あとは、その音声ファイルをPowerPointに埋め込んでアニメーションとか入れてスライドショーを作成。過去に短いスライドショーを1度作ったことがあるくらいやったけど、どうにか完成。(本務側でもPowerPointでの動画作成の手順がどうしたこうした言うてはるし、何かカタチにして残したいねんけど。)できた動画ファイルをWindowsのビデオエディターで加工、編集して社内に向けた“Agile Introductions”の紹介動画をなんとかつくることができた。

社外のコミュニティで登壇

・社内のアジャイル推進・普及活動を目的にしてたし、もちろん広く社外に宣伝するつもりでつくったものではなかってんけど、とあるコミュニティの実行委員を務めるアジャイルコーチ(なかのやすみ氏)の耳に入り、そんなこんなを「アジャイル推進事例」として、たけ所長(たけひと氏)とともに社外に発信することに。不特定多数に向けた事例紹介とか、事前に当日の運営の打合せをするとかも初めてで緊張もしたけど、楽しくできたし、ええ経験になったと思う。

【エンタープライズアジャイル勉強会】2023年4月セミナーはNIT様のアジャイル推進事例です

・カンファレンスとかで聞く「誰かの何かの役に立てば」みたいなメンタリティで臨んだわけではなかったけど、結果的にそうなってたらうれしいかも。しかも六芒星の「③大切な人から認められる」活動にちょびっと貢献できた気がしてる。

・ここまで読んでいただいた方ならお気づきのことと思いますが、
私はいま、楽しく仕事ができています。