「なんちゃってアジャイル開発」が進化に挑戦。。。失敗しました。

この記事は2022Insurtechラボアドベントカレンダー10日目の投稿です。

こんにちは。通称Qちゃんです。
アドベントカレンダーというワクワクイベントの記事としては、ちょっと不穏なタイトルになってしまいました。空気読めなくてすみません。

本記事執筆時点で私はアジャイル開発推進に関与したラボ内のチームに所属しています。
ラボ参加前に一度スクラム開発への挑戦に失敗した経験があるのですが、スクラム開発がうまく回っていない最中にチームを去ってしまったこともあり、なぜ失敗したのかきちんと振り返る機会を逃していました。
今回ラボで学んだことを踏まえて過去の失敗を振り返ってみようと思い立ち、この記事を書かせて頂きます。

スクラム開発挑戦プロジェクトの概要

プロジェクトの概要は以下の通りです。

■プロダクト
 自社運営ECサイト
■顧客
 ECサイト運営・営業担当部署(開発チームとは同企業内の別部署)
■開発チーム体制
 10名程度(スクラム開発経験者無し)
■挑戦時の状況
 ウォーターフォールでプロダクトのECサイトは構築・リリース済み。
 エンドユーザや顧客のニーズへ素早く対応した機能追加・改修を行えるよう、
 上長の判断により、スクラム開発への挑戦が開始した。
■スクラム開発事前準備状況
 ・全メンバーがスクラム開発に関する書籍を最低1冊読破
 ・外部コンサルを招いた勉強会実施
 ・付箋やチケット管理ツール、コミュニケーションツール等用意済み
 ・先行でスクラム開発を採用した別チームによる成功例あり
■備考
 ・スクラム開発の採用はシステム開発部隊のトップ責任者である
  上長から言い渡された確定事項
 ・顧客である運営部署へはスクラム開発への協力要請が出ており、
  非常に協力的

挑戦開始、どんな感じ?

上長からのお達しから開始したということもあって、スクラム開発を始める準備は整えられていた状況でした。

プロジェクトリーダーを当面のスクラムマスターに据え置き、顧客をプロダクトオーナー、スプリントを一週間とし、各種スクラムイベントが実施されるようになりました。
挑戦を開始してから私がチームを離れるまで、小単位で実装とテストを繰り返し、短いサイクルで顧客のニーズに応えていくということ自体はできていたと思います。
その為、スクラム開発がうまく回せていると周囲からは思われていたと思います。

実際に様々な施策を試し、エンドユーザのアクセスを増やすことやサイトの利用率向上に成功することができました。

なぜ失敗と感じたか?

では、私自身は何を持って失敗したと感じたのか。
それは日々のデイリースクラムやレトロスペクティブでも問題点として報告が上がっていないにも関わらず、チームメンバー間の会話では常に不安・不満の声が上がっていた為です。
例えば以下のような声でした。

プランニングポーカーの見積もりが開発スキルの高い人の意見に偏っている
 スキルの低いメンバーは無理やり納得させられているから、
 進捗を遅らせない為にも遅くまで残業しないといけない
■新人の成果物レビューが何回レビューしても完了にならない
 進捗が想定以上に遅れてしまっているが誰かフォローしないのか?自分は無理
■割り込みタスクを急に振られて作業していたら、割り込みが合ったことを把握
 していない他メンバーにフォローを頼まれてしまったから残業して対応かな…
PLが威圧的で怖いから意見できん…

などなど。
「あれ?スクラム開発の在り方って特定のメンバーに責任を押し付けず、チームで一丸になることじゃなかったっけ?」
改めてチームを見渡してみると、ただ同じプロダクトの開発を行っているというだけのチームになっていました。

このチームは何が問題だったのか?

課題としては以下のようなものがあげれたのだと思います。

・コミュニケーション不足
・チーム内透明性の欠如
・チーム意識の欠如

これらの課題があったにも関わらず、課題としてチーム内で協議し、解決に向かうことができなかった原因は何か?
実はつい先日のラボ活動でインセプションデッキを作成中にふと気付きました。
スクラム開発というよりはアジャイル開発の基本中の基本なのかもしれませんが、チーム内で明確な目的・ゴールを定義・共有できていなかったことを思い出しました。

目的・ゴールが曖昧、かつメンバーに浸透していなかった為、私自身も含め、日々の自分のToDoをこなすことが最優先項目なってしまっていました。
チームにはスペシャリストが存在したので、度々発生していた致命的な遅延もギリギリ取り戻すことができ、短いサイクルの開発で顧客のニーズに対応することができていましたが、全員が余裕がない状態でした。
もしチームの目的・ゴールを明確に定義していたら、ゴールに向かうには「個人」ではなく「チーム」として何をすべきか、どういう問題を解決していったらチームのゴールに到達できるのかメンバー間で会話することができたのではないかなと痛感しています。

失敗の経験を振り返ってみて

上長からの強制的な指示で始まったスクラム開発は、スクラムイベントを実施してみるだけという「なんちゃってアジャイル開発」になりました。
実は「なんちゃってアジャイル開発」を問題視し、課題の1つであった威圧的なPLとバトルして折り合いが悪くなって「スクラム開発」への進化チャレンジに失敗したのは私自身です。
当時は今以上にスクラム開発の知見に乏しく、今も勉強中ではありますがラボ活動を通して今度は「スクラム開発」への進化に成功できるよう努力したいと改めて思いました。

個人的な失敗談に目を通して頂き、ありがとうございました。