システム開発してへん人のスクラム

リモートワークが進み浸透 し、個人での作業時間が増加するにつれて従って、業務における人との関係性って希薄になってません
毎日1人でPCに向かい、タスクの完了に向けて黙々と業務遂行してはる人への参考になれば、と思います。

「チームで仕事をする」って何やろ?

会社は金融系SIerやけど開発現場から離れて10年。システム開発の品質や生産性向上の調査して資料を作って、気が付くと今日1日、誰とも話してない。楽と言えば楽なんやけど。

業務上必要なメールの遣り取りはしてるけど、いつものメンバと定例的な内容で定型的な受け答えをして終わり。

おんなじ「チーム」の一員やけど、全員が一体になって何かを成し遂げるとかってわけではなく、業務内容が近しい方向を向いている個人の集合体、とまでいうと少し語弊があるかもしれへんけど。

おんなじ「チーム」のメンバが何してて、何に困っているのかもよう分からへん。
そんなやからこっちが不在の時に何かあったか、とかも聞きづらいし。

結局、週1回の進捗ミーティングで必要最小限の報告して状況共有、みたいなことになってる。
別にそれで何かが立ち行かなくなるとか、精神的に追い込まれてるとかってシビアな状態やないねんけど。

これでええんやろか、て。「チーム」で仕事してるんやろか、て。

でも「それが普通」、「リモートワークってそういうもんやろ」、「却って集中できるし」って思うてたんやけど。

アジャイルってアジャイル開発?

今年4月、アジャイルを実践している現場との兼務がかかった。

アジャイル開発とは、ウォーターフォール型開発とよく比較されるシステム開発手法で、ユーザのビジネス価値を高めることを目的に、要件に柔軟に対応し、必要最小限の機能を迅速に提供、フィードバックを受けて繰り返しプロダクトの機能向上を図る、というもの。

自社の開発のほとんどはウォーターフォール型やけど、アジャイルについては、社外のコミュニティに所属して「エンタープライズでどのように導入するのか」という検討にこれまで3年続けて参加してたり、社内のアジャイル開発のガイドラインを整備したりで、一通りの関連知識は持ってるつもりやったから、大きな気後れはなかってんけど。

本務側からは「(机上で分かったつもりになっている)アジャイル開発を現場で経験することで初めて分かることがあるはず。実践的な知識やスキルを習得して、ガイドや育成計画に反映し全社に還元するよう」とのお達し。

その通りやと思うし、新しいことを経験できるのはうれしいねんけど。
開発現場を離れて長いのに何ができるんやろ、という不安はあった。

更に直接の上長からは「兼務先の業務や運営に慣れるまでは、本務側のことは意識しなくても」て、ほんまかいな。そんなわけにもいかんのちゃう?

新たな環境、新たなチーム

兼務先で、最初に感じたこと。

事前に新規兼務先から業務の概要説明。他部門からの兼務のため、施策だけでなく、経緯や背景も人間関係もすべてが新しい情報。(追いついてないけど、そのうち分かるやろ)

オープンコミュニケーションに戸惑う。会議案内もチャットもいっぱい来るけど、何に出席したらええのか、どこまで返信や反応せなあかんのか、よう分からん。(これもきっとそのうち慣れるやろ)

Scrumチーム(PO,SM(※)含めて14~15名)で2週間単位のSprintがスタートしたが、Scrumチームの中に分科会みたいなのが5チームほどあり、業務の用語の意味すら分からんようなのも。(「分からん」言うて尋ねるにもほどがある、ってレベルなので、少しずつ自分で調べる。)

チームメンバがそれぞれ、分科会ごとのプロダクト完成を目的としているように思えて、Scrumの価値基準の「確約」とか「尊敬」とかは意識されていない?て気もする。

自分の担当業務である、社内向けのアジャイル開発の手引きの作成を通して、具体的なScrumのイベントを経験できてる。けど、これまでも自分のことは自分で管理してたし、従来のやり方とそんな差はないような。

※注釈
PO(Product Owner):スクラムチームから⽣み出されるプロダクトの価値を最⼤化することに責任を持つ役割。
SM(Scrum Master):スクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ役割。スクラムチームと組織において、スクラムの理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう⽀援する。

システム開発、しない人もScrumチームで

6月からScrumチームが再編。Scrumチームが分割されPO+SM+メンバー5人の体制になった。これまで通り同じチームにシステム開発している人もしない人もいるけど、コミュニケーションが取りやすくなった気がする。慣れただけかもしれんけど。今ではニックネームで呼びあってる。(導入までは心底疑ってたニックネームの効果で、会社や年齢の壁の2~3枚は壊せてる気がする。)

毎日スプリントゴールを確認したうえで「昨日やったこと」「今日やること」「阻害要因」を共有する15分のデイリースクラム、というのも仕事のリズムになってきたし。(業務負荷の可視化、には至ってないけど)

レトロスペクティブ(振返り)では次のSprintのカイゼンをチームで決めて、チームで実行に移す(移そうとする)。

Sprintでお互いのできたとこやええとこをほめたり、感謝を伝えるとか、会社入ってから経験したやろか。ほめあうって大事なんちゃうかな。(はずかしいけど、うれしいし)

POの意見を確認して、SMに促されて、メンバーそれぞれが毎日違うことをやってても自分たちで考えて動き、ほかのメンバの進めていることに興味を持って、良くなるようにと思ったことを言う。「気づき」の意見からでも、閉じこもった考え方や視点を広げてくれる。(つくづく「同意」の意思表示をすることって大切、て感じがした。)

それとなく「チーム」っぽくなりつつあるような気がする。他の誰かに頼れるようになるのが次のステップやろか。

システム開発してなくても、Scrumでのチーム運営ってありでは。