Insurtechラボ所長たけひとです。この記事はDevLoveアドベントカレンダーの13日目の投稿となります。Insurtechラボではデザイン思考やアジャイルを重視しており、その関連でワークショップを何回も実施しました。
またお客様に向けてや社内の別事業部に対してワークショップを企画推進することも何回かありました。ワークショップのファシリテーターとしては勉強中の身なのですが、今までの感想を記載します。
ワークショップとは
ワークショップとは、本来は「作業場」「仕事場」を意味する言葉ですが、近年では参加者が実際に体験することで学習できる自主的な教育の場のことを表すことが多いです。
また、ただ知識を得るだけではなく、参加者同士の意見に耳を傾けることで、幅広いメンバーの考えに触れ、新たなアイデアを創出することにも使われています。
ワークショップと聞くと、研修の一種のようなイメージもありますが、参加者が複数の意見を議論することで、新たなアイデア創出にも使われる、非常に実践的な手法となります。
ラボでの検討事項をワークショップで実施してみる
Isnrutechラボ内でもアジャイルの運営を進める上で、
等、ワークショップ形式でいくつかの検討を進めました。アウトプットを出すということももちろん重要ですが、チームで議論することで、チームメンバーの人となりを知り、さらにメンバーで目的をすり合わせるといったコラボレーションを高める効果もあり、非常に有用だと感じました。
ウオーターフォール型で案件を進めていた時はチームメンバーと上記のようなワークショップの場を持つことはほとんどなかったです。ただし、コラボレーションはアジャイルであってもウォーターフォールであっても重要な為、「ワークショップ型のMT」は問題解決や、チームビルディング、変化を促す方法として今後プロジェクト運営の中で重要性があがると考えています。
ラボのチーム内で何回かワークショップもやった際は、ファシリテーターの方はなるべくメンバー間のコラボレーションが進むよう、様々なメンバーの意見を引き出す事に注力して進めていたと思います。実際、色々なメンバーの意見を引き出せれば引き出すほどワークショップとして上手くいくケースが多かった気がします。
お客様や他事業部のワークショップをファシリしてみる
一方で、デザイン思考/仮説検証等の探索型で進める案件について、ワークショップのファシリテートの要望は強く、お客様や社内の別組織に対してワークショップのファシリテーションを行う機会も何回かありました。
こちらは上記内部のワークショップよりもさらに、十全に準備し望むのですが、なかなか上手くいかない感じがありました。ファシリテートを頑張れば頑張るほど、ワークショップとしては無事に終わるのですが、出てくるアイデアが凡庸なアイデアや課題とマッチしないアイデアが多く、なかなか気づきを得るワークショップが進められず、悩んでおります。
正直、いまだ解決策は見えていません。ワークショップでやる内容を事前に自分たちで実施し、想定する答えを準備しておく等、色々前向きに工夫はしているのですが、上手くいかずに試行錯誤している状態です。
書籍でファシリテートやワークショップ、デザイン思考について学習したりするのですが、まだ「これだ」という方式は見つかっていません。
ただ、1点最近意識しているのがワークショップそのものよりワークショップが始まる前の状況が重要だということです
ワークショップの事前段階の重要性
ワークショップでは「ファシリテーターが重要」と色々言われていますが、そのことが重要なのはもちろん、それ以前にメンバーのインプット状況を整えることが重要と感じています。
ワークショップに関する目的が揃っているか?検討するテーマに対しての理解があるか(膨らませる情報を持っているか)?検討プロセスの理解があるか?参加者への理解があるか?みたいな点が運営に大きくに大きく影響すると感じています。
表題 | ラボでのワークショップ | お客様へのワークショップ |
1.目的が揃っているか? | 業務の流れでワークショップを実施しているためおおむね揃っている | 新規ソリューション検討といった目的はあるものの、組織跨ったメンバー間で興味ゾーンが異なる |
2.テーマに対しての理解があるか? | テーマにもよるが、だいたいはテーマへの知見がある | テーマに対しメンバーて詳しくない人材も多く、事前学習が必要 |
3.検討プロセスに対しての理解があるか? | 何回かワークショップを実施しており、流れをだいたい理解している | デザイン思考/リーンスタートアップの流れを理解しているメンバーが少ない |
4.参加者への理解があるか | 全員顔見知り | 初めて顔を合わすメンバーが多い状態 |
ラボでのワークショップ、お客様へのワークショップの特徴をまとめてみましたが、お客様を巻き込んでワークショップを行う場合、身内での実施と全く状況が違っており、ワークショップの難易度がかなり高いことが分かります。
研修のようにワークショップ自体を経験するといった目的であればよいのですが、新たなものを創造/検討するといった目的でワークショップを実施する場合だと上記のような状態のままでは成果を出すのはかなり難しいと感じました。
「メンバー間で関心をもってもらう」、「事前にインプット情報を学習してもらう」等、限られた時間内で最大限に効果を上げれるよう、ワークショップ以外の時間も使って工夫することが、重要だと感じています。
ワークショップの可能性
ワークショップをうまく実施するのは本当に難しいですが、ワークショップ自体が「チームのコラボで新たな価値を創造する」という点やスプリントと同じで「計画して、実施してふりかえってカイゼンする」という点など、アジャイルの要素が詰まっていると感じています。
ワークショップをうまく実施・ファシリテートできることはアジャイルをうまく実施できることに繋がりがあると感じています。これからもワークショップのファシリテーションスキルについて深めていこうと思います。
読んでいただきありがとうございました。
・ワーキングアグリーメント、インセプションデッキをチームで作る!
・ユーザーストーリーマッピングを皆で議論する
・スクラムガイドを読み合わせしてみる
・新規ビジネス検討のためにデザイン思考の取り組みをワークショップで実施する
・ペルソナ、カスタマージャーニー等を皆で作る
・ふりかえりを実施する