6ヶ月間のスクラムマスター活動 、晴れ時々くもり

※この記事は2022Insurtechラボアドベントカレンダー の15日目の投稿になります。

InsurTechLab研究員の”ますたー”です。ラボ内では主にスクラムマスターをやっています。

ラボ活動に本腰を入れてから早6ヶ月が経ちました。今回が初投稿になります。
(もっと発信しろよという声が聞こえてきそうです…汗)

今回は、私がこのラボに参画してからの経験のうち、「やってよかった(=晴れ)」「イマイチだった(=くもり)」と感じたことをそれぞれ3つご紹介します。

やってよかった取組3選

やってよかった取組は、私個人が好きになれたものがメインです。

  • チームメンバ間はあだ名で呼び合う

よくあるプラクティスではありますが、今回もその効果、良さを実感しました。
進め方は以下の通りです。

  1. 呼び名の案を本人以外のメンバが出す
  2. チームメンバでドット投票を実施する
  3. 最後は本人が挙がった案を投票結果も踏まえつつ、特に挙がってもいない呼び名も含めて決定する

1つめの案出しでは、チームメンバの個性が垣間見えたりします。
3つめの「特に挙がってもいない呼び名も含めて決定する」はポイントです。やはり、心理的安全性が大事ですよね。(確保できているかはわかりませんが…)

  • 感謝の会

感謝を伝えるということ自体も、よくある取組としてレトロスペクティブの場などで取り入れているチームもあるかと思います。ラボでは組織内の各スクラムチームで、四半期毎に感謝だけを述べる場を設けています。私たちのチームも「Thank you Fes!!と称して実施しています。(私が勝手に命名しているだけです)

進め方は以下の通りです。

  1. 感謝を伝える対象メンバ以外の全員が、その一人に向けて感謝カードを書きます
  2. 全員のカードを公開し、一人ずつ、対象メンバに向けて感謝コメントを読み上げます
  3. 全員が読み終えたら、感謝を伝えられた人から一言コメントをもらいます
  4. みんなで拍手します(パチパチパチっ)
  5. 上記をチーム全員、一人一人に対して実施します。

1つ目で相手に対する感謝を記載する際、具体的なエピソードがあると実感が上がり、効果的になります。

感謝を伝えられた人は、「仕事でこんなに感謝されることなんてない」「なんだか照れくさい」といった反応が多いですが、実際、感謝は思っていてもなかなか口に出す機会もなく、されることも少ないですよね。(特に仕事では…)

感謝の言葉は伝えられた方は自己肯定感が高まり、ポジティブになれると言われています。そして、伝える方にも幸福感を高める効果があると言われています。伝える側も伝えられる側もwin-winですね。

  • スクラムセルフチェックシートを使った振り返り

これは、吉羽 龍太郎さんのブログ(Ryuzee.com)で公開されていたセルフアセスメントのチェックリストを用いて、自分たちのチームがどの程度、スクラムを実践できているのかを一人一人がセルフチェックし、チームで共有するものです。

基本的な質問に対するチェックが多いので、回答の大半はチーム内で方向性が揃うのですが、微妙なズレであったり、質問に依ってはメンバ間であべこべの評価があったりと、なかなか興味深い結果が出たりします。

そういったズレや、全員がもっとカイゼンできると思っている箇所について、チームで話し合い、メンバ間の頭合わせを実施しました。

ポイントは、出来ていないところでも「×」は付けないことです。
振り返りは、今後のチーム活動をより良くするためにやっているので、ネガティブな表現は避けることを心がけています。

イマイチと感じた取組・経験3選

やってみたけど、「現状では効果がなかった」「問題が出てきた」「私の能力が不足していた」といった事案3件のご紹介です。

  • スプリントのチャートをTODO数でカウント

これは、ちょっとしたチーム事情もあり、チームとして同じ基準のストーリーポイントをベースにカウントできなかったこと、すべてのTODOカードの時間見積りをして、その合計をとり、完了分の時間もとり…といった労力を割きたくなかったこと(スプリントボードはMiro上に作成しているため集計なんてものはしてくれないし、そもそも個人で見積ることになるだろう時間での管理は好ましくない)から、無いよりはマシだろうと思って始めてみました。

やってみると、なんだかそれらしいチャートになるのですが、個々タスクの重さがバラバラであったり、1人が担うタスクもあれば複数人が関わるタスクもあったりと、チャートの見た目が実態を表せていなかったです。
タスク化の厳密なルール整備と徹底ができれば(極めれば)意味あるものにも出来そうですが、そこまでには至っていないのと、現時点でそれを優先するものでもないため、見直したいと考えています。

プロダクトバックログはシンプルに言えば、PBIと受入条件の管理なのですが、実際には色々な付帯情報がセットで管理されます。例えば、「どのストーリーに紐づくPBIなのか」、「ストーリーポイント」、「Readyなのかどうか」、「どのスプリントで対応したのか」とかとか。備忘的なコメントも紐づけて残したかったりもしますよね。

もちろん、Miroでもこれらを含めてリストを作ること自体はできるのですが、そのための労力と、リスト自体が大きくなる(PC画面での視認性が悪くなる)こと、メンテが大変になることなど、デメリットが多いなという印象です。

今回、初めてMiro上でプロダクトバックログを管理してみたのですが、肥大化の一途を辿り、そろそろ限界を迎えています。
(これは、ラボにコーチ役として参画頂いている方にも指摘されました…)

チームやスクラムマスター自身の熟練度にも左右されるところかと思いますが、現在の私にはなかなか難しかったです。

スクラムマスターはチームの状態を把握し、自己組織化に向けて状態に応じた対応や施策を打つ必要がありますが、その前提にある「チーム観察」がおざなりになってしまいました。シンプルに時間が足りませんでした。コンテキストスイッチ※の影響も実感。そもそもスクラム以外のタスクもあり、今の私のレベルではこの状態で2チーム、3チームとかムリだったようです。
(でも「SCRUM MASTER THE BOOK」ではデメリットはありつつも、割と肯定的に書かれているのですよね…やはり、単なる修行不足か)

※『ワインバーグのシステム思考法』に記載されている「ワインバーグの表」として知られており、ひとつの作業に集中できる状態であれば、100%の時間をその作業に費やすことができるが、作業数が2つになると2つで80%、3つになると3つで60%、5つだと5つで25%にまで低下する(作業の切り替えでムダなスイッチングコストが発生する)というもの

最後に

今回はご紹介できていない取組みもたくさんありますが、それぞれ良し悪しがありつつも、やってみて気づきを得ることは、次のより良い一歩を歩み出すため大切なことだと思っています。

考えて悩むなら試し打ちしてから悩む。試した結果を踏まえて、次のアイデアを出す。私自身、アジャイルに触れて考えるようになりました。

今後もそういったマインドでラボ活動に取り組んでいこうと思います。

以上、読んでいただき、ありがとうございました。