レトロスペクティブ

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概要

プロジェクトに関してソフトウェア「以外」の要素、すなわち個人やチームの能力や関係性、プロセスやツールなどに関して、チームの全員が現状認識を共有し、課題や改善案などを出し合います。

今回のスプリントについてうまく行ったことは何か、どんな問題があるか、次のスプリントで実施可能な改善策は何かなどを話し合い、チームの能力や開発効率の向上に繋げます。

一般的に立ち上げ間もないチームでは問題が多く、対処すべき点が多く出る傾向がありますが、開発と並行して改善を行うため、優先度を決めて1~2週間のスプリントで2~3個の改善に取り組むのが現実的です。

  評価の観点 改善に向けて
組織 ビジネス ・ユーザーに届けたいサービスの価値が実現できる組織になっているか
・想定していた売上や利益、費用削減効果を達成できる組織になっているか
・開発チームだけでは改善が難しく、ステークホルダーを含む組織で取り組むべき問題も
少なくないため、関係者が集まってフラットに課題を共有し、解決策を検討します。
 (ステークホルダーやプロダクトオーナーが参加できない場合にはエスカレーションを行います)
・課題だけでなく、必ず「うまくできていること」を認め合うことも重要であり、「より上手くできるようにする」ことをで組織の効率化を図ることができます。
デプロイ ・バージョン管理システムに格納された資材が、デプロイ可能な状態である割合
・ソースコードをコミットしてからデプロイまでにかかる時間
・デプロイの頻度
開発チーム ビジネス ・ユーザーに届ける価値をより大きくするために、 開発チームとして何をすべきか ・ソフトウェアのビジネス価値について再認識を図るためインセプションデッキの見直しを行います。
・バックログアイテムを着手可能 (Ready) 状態にするとともに、ストーリーの見直しを行います。
・コミュニケーションの改善に必要なツールや、ペアプログラミングなどのプラクティスを検討します。
管理・運営 ベロシティ(相対見積値による開発速度)の安定に向けた課題は何か
・チームの心理的安全性は醸成されているか
(チームの誰もが思ったことを率直に話せる雰囲気になっているか)

レトロスペクティブのフレームワークは多数存在するが、主なものを以下に記載。

フレームワーク 概要
KPT ・もっともメジャーなレトロスペクティブ手法です。
・メンバー全員が以下のKeep/Problem/Tryの3点につ
いて共有します。

KPT ポイント
Keep
やってよかったこと、今後も続けたいこと)
・できるだけたくさん挙げる
・開発に限らず、コミュニケーションやツール、ファシリテーションなど気づいたものを列挙する
Problem
(問題、改善すべきこと)
・発生した問題やチームの状況などの不具合など(期間中に発生し、解決したものはKeepに挙げる)
・対処できる量の問題に絞って改善策を考え、Tryに移す
Try(改善策、試したいこと)

・Problemに挙がった改善策以外も挙げる
・チームで解決できる問題を中心に考える

実施イメージ

Sailboat
Retrospective
・開発に伴う様々な事柄を視覚的に表現するレトロスペクティブ手法です。
・ゴールやリスクの項目があるため、関係者も含めた認識共有を行う際などに活用します。
・全員で作成したのちに、阻害要因やリスクの軽減、推進状況の促進などを検討します。

  説明
チームのゴール、目的
チーム
雲と風 チームを助け、ゴールに進めてくれるもの
チームの進みを遅くするもの(阻害要因)
チームがゴールに到達するのを妨げるもの(リスク)

実施イメージ

YWT ・Y(やった)W(分かった) T (次にやること)に着目し て行うレトロスペクティブ手法です。
・KPTよりも前向きに改善に取り組める、と言われています。

YWT 概要
Y(やった) ・実施したこと、発生したことを客観的に挙げる
・ここでは意見や感想は記載しない
W(わかった) ・学んだり気づいたりしたことを挙げる。
・問題となったことも「問題であることが分かった」として目を向ける
KPTのP「計画したバックログアイテムを
完了しきれなかった」は
W「見積りが過少であることが分かっ
た」あるいは
「想定していないタスクがあることが分かった」になる
T(つぎにやること) 「やった」「わかった」ことを踏まえ、今後
も続けることや改善に向けて取り組むことを挙げる(KPTの
Tに相当する)
・優先度をつけて、現実的に取り組める範囲で行う

実施イメージ

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