楽しいアジャイル勉強会実施に向けて

Insurtechラボ所長のたけひとです。この記事はDevLoveの2022アドベントカレンダーの8日目の記事となります。

アジャイルの初心者が、色々試行錯誤しながらアジャイル勉強会を楽しんだ軌跡になります。

アジャイル開発の始まり

私はSIerとして15年以上ずっと、金融系の大規模ウォーターフォール開発をやってきました。

フロント開発領域に異動した中で、念願のアジャイル開発ができるのでは?とのことで、お客様にアジャイル開発を提案してみました。ちょうどお客様をがっつり巻き込まなくてもよい非機能系の積み残し対応があったので、「システム主導でできる所からなら初めても良いよ」とOKをもらい、アジャイル開発に着手しました。

 それまではアプリ領域、インフラ領域とバラバラで開発するのが当たり前の中で、お互いに責任を押し付ける文化が普通でした。そのため、最初は半信半疑だった、メンバーたちでしたが、いざ始めてみると、協業しながら新しいことにチャレンジしていく仕事の仕方は、非常にエキサイティングで、ちょうど実施していたクラウドと相性も良くメンバーたちもSCRUMに前向きに取り組むようになりました。

ふりかえりの停滞と勉強会の始まり

 我々は2週間スプリントで進めていたのですが、最初盛り上がっていたチームも2-3ヵ月くらいたったタイミングでなんとなく停滞の雰囲気を感じるようになりました。最初は前向きだった「ふりかえり」に関して、なんとなく盛り上がらないのです。

手軽な改善はやるのですが、本質的な問題についてはだんだん問題は議題にも上がらないようになって、ふりかえりのネタ自体が少なくなってきました。

ゾンビスクラム診断チェックでいっている「最近のスプリントレトロスペクティブで最も重要な改善事項は、カフェテリアのコーヒーをより良いものにすることだった」みたいな状態に陥っていた気がします。

何が原因か、どうして良いかわからなかったので、とりあえず先人に頼ろうと色々本を読みました。その中で、チームで本の知見を共有しようということになり、『アジャイル勉強会』を始めました。私もアジャイルをやりたいと言ったわりには有識者でもなんでもなかったので、書籍について読み直し、それをパワポでまとめ、自由参加の勉強会という形でチームに説明するのは自身のにとって非常に勉強になりました。

この運営を毎週実施し、初心者同士で「どうなればアジャイルなんだろう?」と色々ディスカッションしていたのですが、勉強会が進むにつれ、徐々にスクラムの運営についても前向きに、盛り上がっていった感じがありました。すべてが勉強会のおかげだったのかはわかりませんが、チームで学習しよう!という雰囲気は確かにあったとおもいます。

また、チームだけでなく、私自身の変化も大きく、10冊くらい勉強会やったあたりからは引き出しが広がっていき毎回のスプリントでいっぱいいっぱいの状態から少し先を見越した考えができるようになっていった気がします。

勉強会の停滞

 プロジェクトについては半年で終え、その時のチームメンバーは解散しました。優秀だった2人のメンバーから、「こんな楽しいプロジェクトは初めてだった」とい言ってもらえたのが非常にうれしかったです。

(ただ、その二人はもっとアジャイルっぽい所に行きたい!!と会社を卒業してしまいましたが・・・)

お客様にも好評で「自分たち自身でスクラムを回してみたい」と言っていただき、新たな体制でお客様も巻き込んでスクラム運営を始めています。ただ、私自身はまた新たな環境(このInsurtechラボ)に異動になりました。

新しい環境でも以前の勉強会での体験が忘れられず、週次で勉強会は続けるようにしました。新しい組織では会社全体に変化を促すというミッションがあるため、チームの勉強会に加えて、会社の勉強会と毎週2回勉強会をやっていました。

一方で前回のPJTの時と異なり、「共に学ぶという勉強会から一方的に教える」という勉強会により変化していきました。私自身は勉強会をしていく中で、過去に勉強会した本の内容がつながり出し、読書と勉強会資料作成が楽しいと感じつつも、「一方的に教える勉強会の参加者の盛り上がり不足」についても、何か手を打ちたいと、悩んでおり、勉強会運営は新しい段階に来たと感じていました。

コミュニティの参加と社内コミュニティの作成

 色々悩んでいる中、「シン・アジャイル」のコミュニティが発足したため、何かヒントがあるのではと参加し、「アジャイル勉強会を盛り上げるチーム」として数人で検討を進めることになりました。

色々悩んでいる中で、「社内勉強会のノウハウを持っている人の知見を共有したらよい!」との意見が上がり、このDevLoveで『社内勉強会勉強会』のLT企画を立ちあげていただきました。社内勉強会に成功している会社さんの事例は非常に刺激的で参考になりました。以下がLTをまとめた内容となります。{シン・アジャイルのコミュニティのメンバーとまとめたものです。近々、下記勉強会をテーマにイベントをしたいと思っています)

<勉強会勉強会で出た意見のまとめ>

<勉強会勉強会で出た意見のまとめ>

1-1.一人で始める、続ける始めるのはぼっちだが、勇気をもって情報発信し続ければ、仲間と自然と出会える
1-2.勉強会実施の負荷を下げるゼロコスト運営を意識。開催頻度を多くする必要があるため、なるべく楽に
1-3.コンテンツの難易度を下げる準備は大変という先入観を払拭させる(YouTubeを皆で見る、技術記事を見るだけ)
1-4.参加のハードルを低くするルールを作ってハードル上げない。聞き専でも。参加のアウトカムをわかるようにする
2-1.コアな人たちから広げていく何をやるのかの前に、誰とやるのかを決める。参加者を指名で呼ぶ
2-2.社内コミュニティを作る勉強会運営を頑張るのをやめて、コミュニティ作りに重きを置く
2-3.社外コミュニティを活用する勉強会の悩みを社外のコミュニティで相談する。
2-4.社外の有識者を活用する外部の有識者は、Tweet1つくらいで意外と来てくれる
2-5.社内へアピールする偉い人を巻き込んで、みんな参加しなよ!の空気を作る、社内報でアピール
2-6.業務にする業務の一環として勉強会をやる/テーマを業務の内容と絡める
3-1.講師1人でなくメンバーと一緒みんなが「教わる」でなく一緒にやる。幹事も一緒に。
3-2.定期的に実施できる仕組み化定期的に集まる。(まず集まるを重きに置く)案件のふりかえり⇒勉強会を定例化
3-3.ネタ集めを運営化毎週、勉強会のテーマを上げ、常に勉強会テーマのネタをストックしておく
3-4.時間帯を調整昼ご飯前、夕方がねらい目。テーマによっては60分だが、30分くらいが妥当

超参考となる情報をありがとうございました。上記勉強会勉強会のノウハウを参考に社内でも早速「社内アジャイルコミュニティ」を作って、メンバーも巻き込みながら現在試行錯誤を続けています。

今後に向けて

「一人で始め、続ける」という所から『巻き込み』の段階に私の勉強会ジャーニーは進んでいます。引き続き楽しい勉強会を目指し、次の「DevLove 勉強会勉強会のLT」が合ったら講演側に行けるよう、頑張っていこうと思います!!

読んでいただきありがとうございました。