組織的発信のススメ

所長のタケです。この時期は9月アドベントカレンダーの3日目の記事として書いています。

過去に「エンジニアとして発信することについて」という記事で自身の成長のために発信することが良いという事を書いていますが、今回は発信することが組織に対して、どんな成長をもたらすのか?という事について私見を記載します。

発信して受け取ることで組織が成長する(SECIモデル)

誰かが組織で発信するという事は組織の中で受け取り手がいるという事です。

 この発信↔受取の動きを活発にすることで組織として知が深まると考えています。有名なSECIモデルでも「1.他者と知識の交換を行う創発場、2.暗黙知を形式知に変換する対話場、3.形式知を持ち寄れるシステム場、4.実際に実践してみる実践場」の4つの場が組織で知識を産み出すために必要と提唱されており、何かしら発信した内容をチームメンバーがリアクションして、さらにチームで発信する空気が醸成されると、1~4の場が出来上がると考えています。

1.創発場やったことに対してチームでふりかえりやディスカッションする中で自分の考えがまとまってくる
2.対話場上記まとまった考えを、記事等にしてみることで、やったことや思った事を言語化して、皆が見えるようにする
3.システム場誰かの記事を参考に更なる記事が生まれたりリンクがはられたり、まとめ記事になる中でより実践で使いやすい形にまとまる
4.実践場実際にまとめた内容を使ってみて、更なる感想が生まれる。(1につながる)

そのため、Insurtechラボではこういった記事投稿や発信を推奨しています。もちろんこのHPでなくとも自分のブログやX(Twitter)等があればそこに書くのも歓迎しています。

いくつかの発信の形

発信についてはこのHPの記事以外にもチーム内で色々な発信の形があります。いくつか事例を見てみます。

エピソード①:個人⇒チームへの発信

Slackの分報でやったことやその時の気持ち、調べたことを情報発信する。受け取り手は情報について学べたり、メンバーの新たな一面が見れる事で、チームビルディングやチーム運営にもプラスになる

エピソード②:チーム⇒チームへの発信

チーム内で現在チームで取り組んでいる課題等に関する、勉強会を実施することによってチーム成長につながる

エピソード③:チーム⇒別のチームへの発信

チームでやったことを情報発信しあったり、チームのスプリントレビューにステークホルダーとして別チームが参加して意見を言い合う等を行う事で、別のチームのやり方等に触れ、新たな気づきが産まれる

エピソード④:個人、チーム⇒外部への発信

外部イベントへの登壇やHPの記事投稿などで、外部に向けた発信をする。外部に向けた発信をチームメンバーが見たり、外部からのフィードバックを見たりする中で、新たな気づきが産まれる

エピソード①、②、③、④とも発信の質として順列はなく素晴らしいと考えています。また、発信範囲が狭い方が心理的ハードルも下がり、発信する内容についても考えるべきことが少ないため、やりやすいという事もあると思っています。ただ、個人的には①、②、③、④とも量としてはもう少し増やしたいと考えていて、一番最後の④の外部発信を意識することが、結果①~③の量自体も増えることにつながるのでは?という仮説を持っています。これは④の方がフィードバックをもらえる可能性が高まるからです。(④だと透明性が高く、外部からも、組織からもチームからもフィードバックをもらえる可能性が高い)

とはいえ、記事が盛り上がらない理由

とメリットをアピールしますが、メンバー皆が記事を書くような雰囲気にはなかなかならないのが実状です。仮説ですが、下記問題があると考えており、9月アドベントカレンダーを盛り上げるためにも、下記問題に対して対処していきたいと考えています。

①.書く環境整理が面倒、どうやって書いて良いかわからない

 我々はワードプレスで記事を書いていますが、ワードプレスの書き方・ルールやアイキャッチ画像の作り方、投稿の仕方等、ツール自体に慣れていない(触ったことがない)という理由があると考えています。この点はワークショップで実際に触ってみるみたいなことをやる事でカイゼンできないかと考えています。

②.書く内容がない、しっかりしたものを書かないといけないという固定観念

 Insurtechラボを代表して(?)の記載となるため、一定の品質で書かないといけない。そうなると自分がやっていることでは書けないのでは?といった書くことに対するハードルがあると考えています。ここについては書く内容の品質・レベルよりも量が重要かと思っています。量が一定あれば、システム場に引っ張り出して、更なるノウハウが作れるといった事もあるため、まず気軽に書けることが重要かと思っています。この点については「モブワークで記事を書いてみよう」みたいなライトな取り組みを行う事でカイゼンできるのでは?と考えています。

③.発信できるような関係性を作れていない

 発信することについては、「恥ずかしい」「馬鹿にされるのでは?」「怖い」といった負の感情があると思います。個人で発信する際このような事を思うのは割と当たり前のことだと思っており、この壁を超えるのは簡単ではないと思います。ただ、SECIモデルで記載したように、発信して文字にすること自体でシステム場に上がる対象になり、今後の成長につながる可能性があるため、どんな内容であってもチームとしては大歓迎です。そのため、個人では発信怖いが、チームの中でなら発信できるといった空気が作れれば発信が増えると考えています。結局はそういった発信しやすい関係性の構築が出来ていないことが根っこの問題だと考えており、発信に向けて関係性を高めることにより注力したいと考えています。

感想

 アドベントカレンダーが盛り上がらない。でも盛り上げたいという気持ちをぶっちゃけてみましたが、この1カ月で、何か変化は見えるのでしょうか?こうご期待。