1/10~1/12はRSGTに全振りしようと思っている話

 2024.1.10~1.12はリージョナルスクラムギャザリング東京(RSGT)というアジャイル/スクラムの大きなイベントがあります。Insurtechラボのメンバーも、オンライン/オンサイトで参加しようと思っていますので、盛り上げるために記事を書きます。

※1/10 :登壇内容の変更を受けて、内容少し修正しました。

何故組織的に参加しようとしているか?

 ラボの活動について2年弱やっています。最初はすべてが新しい取り組みでした。その際は、「新しい事を体験して(教えてもらい)、体験したことから学びを得ていく」といった進め方で、とにかく体験することで学びを得られ、チームが成長できたと思います。ただ、1年半過ぎてきて、良い意味でも悪い意味でもチームの成長が予測できるようになってきた気がします。

 新たな成長をもたらすポイントとして、SECIモデルでいう創発場『組織での暗黙知の体験』を増やして共同化する取り組みが必要と考えています。そういった経験を増やしながら、自分たちのやり方をもっとチームとして創りなおしていくような動きが必要と考えました。

 そういった皆で新しい経験を一緒にするという意味でRSGTはとても楽しみにしています。自分達と違うコミュニティへの参加やその道で先に進んでいる人の意見を聞いて個人及びチームとして感じることは非常に重要と思っています。

 そのため、組織でRSGT2024に参加したいです。

誘ってみてた結果

 個別ラボのメンバーを誘った結果、12人のメンバーで参加することになりました(オンサイトは5枚しか買えなかったので、5人オンサイト、7人オンラインです)

 ラボでは兼務者もいる為3日間拘束は無理ということで、全体の1/3程度の参加となりました。ただ、なんと、今回のRSGTについてはオンラインチケットがあれば、会社で共同で視聴することはOKということでした。年始明けすぐの実施なのでどこまで調整できるかわかりませんが、基本的にラボとしては1/10-1/12はスクラムイベントは完全に止めて、RSGTを見る会をしたいと思います。オンラインチケット持っている何名かがGatherでイベント見てもらって、好きな時に他のメンバーもフラっと同時視聴できるようにしたいと思います。

プログラムの予習

 色々なテーマがあったり、海外の講演者の方がいたり、初めてだと、どれを見ればよいか分からない、という声もあるので、簡単に超個人的な偏った意見ですが、セッションの紹介をしたいと思います。ちょっとでも参加に向けて楽しみになっていただければ幸いです!!

 紹介しなかったセッションについても素晴らしい内容だと思いますので、紹介のあるなし関わらず、興味があるものを見ていただければと思います。(とはいえ、私もRSGTは初参加となります)

※スケジュールは12/27時点の内容なので、まだ変わるかもです。

RSGT2024スケジュール

1/9(火) Day0 18:40~ 

知り合いを増やしてRSGTを最高に楽しむための会+α

 おーのAさんと小笠原さんが、RSGTを楽しむための前夜祭イベントをオンラインでやってくれるようです。毎年とても好評なイベントなので、「RSGTの参加ちょっと怖い」と思っている方はぜひ参加してみてください。(下記は昨年の資料です)

1/10(水)午前中

 Heidi Helfandさんのダイナミックリチーミングというテーマでの基調講演です。サイボウズの大友さんが2022のスクフェス仙台で説明してくれていますので興味があれば読んでおくと楽しいかもです。(エコサイクル、パナーキー、5つのパターン等の説明)

1/10(水) 午後前半

Badプラクティスを選んで失敗しながら進めた新規プロダクト開発

 カケハシの椎葉さん/ゆのんさんの「新規プロダクト開発」についてスクラムマスター、エンジニアそれぞれの目線での講演があります。最近SNSで見ない事はないカケハシさんですが、スライドやブログはよく見ているのですが、生で聴くのは私は初めてなのでとても楽しみにしています。

↓下記は椎葉さん作の私が超好きなスライド

アジャイルの価値を活かせる受託開発案件の取り方・始め方

 クラスメソッドの藤村新さんのアジャイルを受託案件として取っていくやり方の説明です。オフショアや受託案件プリセールスといったSIerのマネージャとしては無茶苦茶興味がある話となります。スクフェス仙台2023のキーノート講演もとても良かったですし楽しみです。

価値提供のリードタイムを短くするための戦術としてのチーム替え「流動チーム体制」に取り組んでいたら実はLeSSでのモブプロだったお話

 NAKOさんたちのLessでの事例の話になります。キーノートのダイナミックリチーミングの話とも関連するのではないかと思っています。大規模スクラムは直近はあまり関係ないですが、組織構成や金融案件のアジャイルの推進を考える上ではもっと学習しないといけないと思っており、とても興味があります。下記は去年のRSGTのスライドですが、去年からの変化についてもとても楽しみです。

証券取引所のサービスをアジャイルに開発し続ける上での学びと取り組み〜信頼性とアジリティの両立を目指して〜

 富士通のRisaさんのセッションです。プロポーザルわいわい会で聴いた時からとても気になる内容でした。「金融等のミッションクリティカルな領域でアジャイルな開発に取り組みたい方に勇気を与えられるようなセッションにしたいです!」という所で大会社や金融といった中での取り組みはとても気になります。

Changing Teams with Music: A Retrospective on a Year of Adding Music to Company and Team Journey

 KAGのPIYOさんのFunDoneLearnの歌を作った件等に対する英語登壇です。piyoさんの講演はいつもわかりやすく、ユーザー(聞き手)をだいぶ意識して作っているなぁと感じるので、今回も気になりますし、日本人が英語登壇するというのもどんな感じなのか気になります。ラボでも来年は英語登壇したい!!(下記はふりかえりカンファレンス2023での講演内容です)

【あなたにとって】全員正解クイズ〜相手の価値観を引き出す方法〜【スクラムとは?】

 マネーフォーワードの田口さん、松尾さんの体験も交えたセッションです。聴いた翌日にやってみたい!と思える内容な気がしていて、気になっています。マネフォの方と話した時に、最近スプリントレビューのノリがアジャイルラジオっぽくなってきたとも聞いていたので、RSGTもアジャイル道関西のアジャイルラジオの楽しい(ゆるい)ノリなのでしょうか?楽しみです。

1/10(水) 午後後半

よいチームをよい雰囲気を保ったままよい組織にスケールさせていくためにできること

 ホロラボ、Silver Bullet Clubの及部さんの講演です。及部さんと言えばチームでの転職を繰り返し実施したりモブプロの本を出したり、チームのプロですが、良いチームを組織に広げるためには?という問いのテーマでの講演になります。テーマも及部さんが話すということもとても気になります。

仮説→実験→検証→学び…プロダクト開発のループを実現するためにMobius Outcome Deliveryを学び、実践していること

 コネヒトさんで実施しているMobius Outcome Deliveryの実践例です。(参考ブログ)前にスクフェス大阪でギャビーさんがメビウスについてさらっと触れていてとても気になっていましたが、ブログを見る限りかなり仕組みとしても本気で取り組んでいるようでとても気になりました。(下記はスクフェス仙台のギャビーさんの講演です)

焼肉レトロスペクティブ爆誕!遊び心を解放してチームの学習を飛躍させよう

 コニカミノルタ原田さんの「焼肉レトロスペクティブ」です。最初SNSでこれを見た時は、「何か色物でてきたな。ぱっと出て消えていくんだろうなー」と思っていたら、いくつかの会社で試しにやってみたら楽しかった!!という記事が出てきて、とても気になっています(個人的には知り合いでの焼肉行くと色々と気を遣う事も多そうで(価格や肉の焼き方・取り方等)ちょっと遠慮する方ですがレトロは盛り上がるのかなー?)

ジョーが語る、Teslaでの衝撃的な開発スピード

 テスラのジョージャスティスさんの講演です。スクラムフェス三河の時もハード含めてアジャイルでテスト駆動で実施しているテスラの先進性のかなりビビりました。同様の内容だと思いますが、話題のテスラの話は聞く価値があると思います。

ベロシティDeepDive

 Ryuzeeさんの恒例のDeepDiveシリーズです。このシリーズのスライドについては後からでも必ずリファレンスされる内容だと思いますので、今回も期待です。

プロダクトバックログ Deep Dive
スプリントプランニング Deep Dive
スプリントレビュー Deep Dive 

Learning from Mistakes

 SCRUMMASTER THE BOOKアジャイルリーダーシップを書いたズージーさんの講演です。「アジャイルの旅で行った実験や学んだ失敗について一緒に探求します」というテーマで、とても気になる内容です。

アジャイル開発で役立つセキュリティプラクティス

 私が尊敬しているaki.mさんの講演です。セキュリティプラクティスということでこのためにサーベイを100個以上読んで望んでいると言っていました。おそらく私がコミュニティで一番影響を受けた方ですし、我々もシフトレフトと格闘中なので、とても気になります。

本編後のアフタートーク

 講演後もウルシステムズのお話やトヨタのプリウスの話、スクフェスタウンMT、テスト関係者でのにしさんを語る会等盛りだくさんです。すべて気になります・・・。

1/11(木) 午前

レガシーコード改善ガイドを書いたマイケルフェザーズさんの基調講演です。

ステークホルダーは皆、価値とは何かについて異なる考えを持っています。組織は、アーキテクチャ、プロセス、チーム構造を進化させながら、これらの考えをすべて調和させなければなりません。この基調講演では価値の理論を提示し、技術的および社会的システムで価値がどのように表れるかについて説明します。この知識を持つことで、技術的な負債、バーンアウト、誤った努力を予測し、避けることができます。

 DevOpsTokyoでもケントベックが提唱した「3xモデル」について「1探検⇒2拡大⇒3抽出」の段階について最初のうちは市場や必要なものを探索し、小さな実験を試み、市場に出て、うまくいっているものを抽出するという流れの中、目の前のことに対応して進めていると燃え尽き症候群になりやすい、それの解決のヒントがDevOpsにあるといった話をしてくたと思います。当時は難しくて理解できなかったことが多かったので、また違った軸で聴けるの楽しみです。

1/11(木) 午後前半

「プロダクトマネージャーがプロダクトマネジメントを失敗させる!?」カオスなプロダクト開発だったから効率化したら息苦しい官僚組織になっちゃった! 手強い罠を乗り越えて若々しいチームを実現するぞ

  RSGTでも森さんのプロダクトに関する話は本当に素晴らしくて何回も見ています。今回は「プロダクト開発組織の過程で起きる問題を解決するセッション」ということでとても楽しみです。

↓過去のRSGT講演

アジャイル、プロダクトマネジメント、デザイン思考の効果をさらに爆上げする適応型フレームワーク

 デロイトトーマツのkyonさんの講演で、ご自身のチームの47機関でのレトロスペクティブのフレームの紹介になります。レトロと言ってもチームに関してだけでなく「ビジネス/チーム/組織のオペレーションとタイムスパンで相互補完的に成長していくというフレーム」の話となります。前提となる知識も一定求められそうで、難しい内容だと思いますが、これは見ようと思います。

SeSoftware Teaming (Mob Programming) and the Power of Flow.ssion By Woody Zuill

 モブプロを世に広げた一人であるWoodyさんの講演です。過去のアジャイルジャパンでの登壇内容と同じ内容とのことでした。我々も最近、複数のチームでモブプロをどうやるともっとうまくできるか?ということを検討しているのでヒントがあるかもしれません。

 Woodyさんの記事探す中で見つけた、3分でわかる1日の実際のモブプロの様子の動画が面白かったのでつけておきます。

そうさ、探索適応型のチーム・組織を目指そう!

 市谷さんの講演でレッドジャーニーさんのスポンサーセッションです。ターゲットオーディエンスに書いてある「それがたとえどんな出発地点だったとしても、自分たちが居る場所を変えたい人たち」が熱い!!

1897年(明治30年)設立、老舗製薬企業のスクラムマスター増産計画

 bunさん(菅原さん)の製薬企業での大企業でのアジャイル展開の話になります。「組織を芯からアジャイルにする」のコミュニティでもご一緒させていただいていますが、実際の企業の事例をちゃんと聞いたことはなかったため、楽しみにしています。RSGTのいいね数第1位の内容となっています。

約30年の時を超えたデザインパターンの価値 -現代のスクラムチームの開発者がGoFのデザインパターンを学び直し得たもの-

 いつの間にかサイボウズになってた、えわさんのGoFのデザインパターンについてのセッションです。「実務で設計原則を適用する機会が見つからず悩んでいる方」を対象ということでとても楽しみです。我々のチームの参加者は開発者が圧倒的に多いので、こういった技術プラクティスの話も聞けるのは素晴らしいです。楽しみにしています。

参考)Fukabori,FMでtwadaさんがGOFについて話していた会

1/11(木) 午後後半

スクラムとデッドライン、壊れゆくチームをつなぎとめるもの

 小田中さんは説明が優しく前向きで講演を見ると知的好奇心とモチベーションがあがるので、必見です。ナビタイムの事例をカケハシに転職してから話すということになると思うので、その辺のご自身の心境の変化等も気になる所です。とりあえず悩んだら小田中さんの講演をお勧めします!

できるだけ大きなアウトカムが得られるように、シフトレフトとシフトライトの両面から製品開発に取り組んだお話

 ブロッコリーさんの講演です。アジャイルテストの本の訳などをされている方でアウトカムをテストでどのように確認していくかという話をしていただけるようで非常に楽しみです。これも開発者にぜひ聞いてもらいたい内容です。2023のアドベントカレンダーでとても分かりやすいまとめをしてくれているので、一読すると良いと思います。

More Great ScrumMaster 〜システムコーチングの智慧がもたらす更なるScrumMasterWayへの歩み〜

 稲野さんのスクラムマスターにおけるシステムコーチングの重要性についてのお話です。去年のRSGTでもシステムコーチングを勉強しているという話だったので、昨年からの変化について聞けるのが楽しみです。スクラムマスターさんは見てみると良いと思います。

↓2023の内容

プロダクトをあきらめるとき

 アトラクタのKIROさんの講演です。プロダクトについての上手な終わらせ方を考えておく重要性といったあまりなかったけど実際は考えないといけないテーマとなっています。気になります。

スクラムマスターを職能にする挑戦 – 健全なチームを増やし組織をチームワークであふれさせる道のり

 サイボウズの天野さんの組織としてスクラムマスター職能を推進した事例の紹介になります。組織的にかなりしっかり取り組まれているので、マネージャとしては気になる内容です。

A True Story of Agile Coaching in Ukrainian Armed Forces

 Dmytroさんの講演です。アジャイルコーチがウクライナが戦争に入っていく中で、どのようにアジャイルの原則が生かせるかという実体験の内容となります。

クネビンフレームワーク、Management 3.0、ダニエル・ピンクの動機付け理論、スクラム、透明性の概念が、軍事およびビジネスのコンテキストを含む多様な設定で結束力のある効果的なチームを構築するのにどのように貢献できるかを理解することができます。

とラーニングアウトカムに載っていますが、これは実際の声を聴いておかないといけないテーマだなと感じました。スライドもconfengineに載っているのですが、これは個人的にはこのRSGTで一番見ておかないといけない内容だと感じました。

みんなでギャザってふりかえりカタログを作ろう!~おすすめ手法、体験談、みんなで集めよう!~

 森さんたちふりかえりカンファレンスのメンバーでのふりかえりカタログの紹介です。2日目明るい気持ちで終わりたい場合はおすすめのセッションです。ふりかえりガイドブックはいつもお世話になっています。こういう実践知の集合企画はよいですね。

1/12(金) 

午前中はOSTとワークショップです。どれも気になる内容・・・。OSTについては去年のまつしゅーさんのスライドを見て臨むと楽しいと思います!

また午後は狩野モデルを提唱した狩野先生のクロージングセッションです。楽しみです。

(永和システムさん作成の狩野モデルの説明:狩野分析

その他

 また上記には書かなかったですが、Lessや@scale等大規模スクラムの話も多いと感じました。それらの内容も楽しみです。またスポンサーセッションについてもRSGTのレベルは高く、とても楽しみですし、寸劇などは毎年話題になるため、楽しみにしています!!

(スポンサーセッション改めて見るとどれもしっかりした内容でとても楽しみになりました)

また、コーチズクリニックもお勧めです。

長文となりましたが、総じてとても楽しみにしています。1人では同時には見れないので、そういう意味でも組織で好きなものをバラバラに見て、後で共有できるととても面白いしお得だなと思っています。

読んでいただきありがとうございました。