この記事は202409アドベントカレンダーの2日目の記事となります。本日の学びフェス(9月社内で毎日実施している勉強会)では初学者向けのプロダクト勉強会を実施しました。最近アジャイルを新たに始めるPOさんと話す機会が多いこともあり、本日実施した初学者向けの勉強会のまとめと、それに加えて、PO初学者にとってお勧めの動画サイトについてもまとめてみました。
初学者向けのPO勉強会
本日の勉強会ではSIerである自分たちがプロダクトにどのように向き合っていくかというヒントになるためのいくつかのヒントとして、下記5点について軽く説明してきました。
0.プロダクトとソフトウェア作りの違い
市谷さんのスライドを元にプロダクトとソフトウェア作りの違いについて話しました。我々SIerだとこの事は大事な捉え方の違いなので、あえて二律背反的に記載していますし、ここの考え方の枠組みがないと、愛染先生に鏡花水月で切られますと話しています。
1.Fit-Journey
プロダクトマネジメント等を学ぶということは、使う言葉遣いが変わってくるという事があると思っています。CP-FIT~PM-FITといった用語やそれらの関係がキャンバス等の全体感と合わせて理解でき、さらっと会話出来る状態になっている事は組織として重要だと思っていて、キャッチーなFIT-JOURNEYから話しています。
FIT-journeyについて「新規事業を成功させる PMF(プロダクトマーケットフィット)の教科書」でキャッチーな図と共に紹介されているので、その本の内容も簡単に説明しました。(リンクのAMAZONの本のページでも図が乗っています。)
2.仮説(リーン)キャンバス
プロダクトの全体感についてパッと話したかったので、リーンキャンバス、仮説キャンバスについて紹介しています。こういったキャンバスで全体感をとらえる感覚は本当に大事だと思っていて、色々な物事をキャンバスという枠組みで捉えることでプロダクト脳が鍛えられると感じています。キャンバスについて下記ページで説明しているので、その概要を話しています。
3.プロダクトのコア(MVV)
「プロダクトマネジメントのすべて」でも紹介されているプロダクトの4階層とその4階層の中でのCOREの重要性について説明しました。仮説キャンバスではミッションや目的を記載する欄がありますが、上記Fit-Journeyの中では明確にミッション/ビジョンの話は出てこないので、あえて一番重要なことと話しています。
4.チーム
プロダクトについてはチームで動いていくことが大事ですが、受託中心のSIerだとこの辺が伝わりづらい点でチームジャーニーで紹介されているグループとチームの違いについて紹介しました。キャンバスの優位性の項目とも合わせて、大事さを説明しています。
おわりに
最初にプロダクト作りとソフトウェア作りは違うというテーマで話しましたが、SIerにとってややメッセージが強すぎたり、自分には関係ないと思われる所もあると感じていて、二律背反ではなく両面大事という形で締めくくりました。
という事で勉強会の概要でした。下記は参考ですが、もっと知りたい方向けに個人的におすすめの動画を紹介しています。(むしろ動画だけを見てほしい・・・)
POさんにお勧めの動画
プロダクトやアジャイルに関して学びたい時に、本はおすすめなのですが、購入や読むという事にハードルがあったりすると思います。そんな時、無料の動画やpodcast等は、ライトに視聴できるので、最初にお勧めするコンテンツとしてとても重宝しています。選んだ動画が本当に初学者向けかは怪しい気もしたのですが、自分のプロダクトに関する考え方を揺さぶられるという点と幅広い内容を話されている動画という事で5個の動画を選んでみました。(他のお勧めの動画があれば言ってくれると嬉しいです)
1.【CL MeetUp #15】翻訳者 角 征典さんによる『Running Lean 第3版』ダイジェスト
クリエーションラインさんのイベントで角さんが講演してくれている動画になります。プロダクトの推進(特にWebサービス)をする上では、エリックリースのリーンスタートアップの考え方を見ておくことは必須だと思います。動画ではリーンスタートアップの考え方やRunning Leanで出てくるリーンキャンバスについて説明してくれています。仮説検証 ⇔ アジャイル開発との関連等、包括的に理解できる動画なのでお勧めです。(1.5倍速でも問題なく聴けると思います)
2.【pmconf2023】シリコンバレーのプロダクトマネージャー達に見る、 覚悟を決めたPMは何が違うのか?
PMCONF2023で曽根原さんが講演している内容になります。PMCONF2023が「覚悟」というテーマだったのでシリコンバレーの優秀なプロダクトマネージャーを見て気づいたポイントについて6つのテーマについて解説してくれています。シリコンバレーのデジタルプロダクトよりなケースなので自分に当てはまらない事もあると思いますが、逆にそういった少し自分が見ている景色と異なる意見を聞くことで考える点も多い動画だと感じよりな。
3.【RSGT2023】「私考える人、あなた作業する人」を越えて、プロダクトマネジメントがあたりまえになるチームを明日から実現していく方法
RSGT2023で森さんが講演してくれている内容になります。アドバンスとある通り、初学者向けかどうかはわからないのですが、プロダクトに関わっていく上では必見の動画となります。プロダクトやそれを進めるチームについて考えさせられる動画で、最後まで見ると何とも言えない感覚を抱くかもしれませんが、個人的にはとても前向きな気分になれる動画でした。
4.【スクフェス大阪2023】Deep Dive Experts – プロダクトマネジメントの光と闇 –
スクフェス大阪で、及部さん、kyonさん、akiさん、森さんというエキスパートたちが集まってプロダクトについてディスカッションするという内容です。プロダクトに携わっていく上での大事なマインド面について考えさせられる内容です。この動画もいきなり見るのがお勧めかはわかりませんが、何らかプロダクトに携わる上では考えさせられる内容がたくさん話されています。
5.【おまけ】The Art of Design | Bjarke Ingels: Architecture | FULL EPISODE | Netflix
デンマークを代表する建築家のビャルケ・インゲルスの動画です。上記プロダクトマネジメントの光と闇のメンバーの方々にお勧めしてもらった動画になります。ビャルケ・インゲルスは「YES is MORE」という事を言っています。これは建築業界で言われてきた「Less is More:より少なほうが豊かだ」のアンチテーゼとなります。動画を見てみるとYES is MOREを体現する具体的な事例を色々見ることができ、チームでデザイン思考のアプローチを高いレベルで体現出来ている点や、ミッション/ビジョンの力強さを感じることが出来る為、POをする上で、自分で色々勝手に作ってしまっている壁に関して、本当に壁なのか?考えさせられる動画だと思います
感想
以上、初学者向けPO(プロダクトオーナー)勉強会と動画の紹介でした。おすすめ動画はもっともっと知りたいため、皆さんのお勧め動画を紹介いただけるととても嬉しいです。また動画は個人で見るだけでなく、見た内容でチームでディスカッションできると本当に良いので、一度見るだけでなくチームでの教材にもなると良いと思っています。(チームで見ると、使う用語が変わってきて、チーム内のコンテキストが徐々にあってくるので本当におすすめ!!)
読んでいただきありがとうございました。