Insurtech推進の仮説検証チームで学んだこと!

Insurtechの仮説検証・R&Dチームに所属してから約9ヶ月。
まったく未経験の分野だったが、そこから多くの学びを得ることができた。
以下ランダムではあるが、仮説検証の流れおよび自身の学びを記載しました。ご参考になれば幸いです。

1.仮説検証の流れ(教科書的には以下の通り。実際この通り行くのは難しい。)

市谷さんとの勉強会・研修で学んだこと・資料を参考に、主にインタビューまでの流れを以下記載しています。

①何が問題なのか。何を解決したいのかを決定する。(ターゲットとするユーザーが抱えているニーズや課題を抽出)
②そのための情報収集を行う。
ネット、雑誌、新聞等から上記課題に関連するニュースを抽出し、チーム内で情報共有する。
仮説キャンバスを作ってみる。


仮説キャンバスの整合性の確認
以下のながれで、各項目に整合性が取れているかの確認を行う。


⑤仮説を検証するためのインタビューイを選定すると同時に、インタビュースクリプト(台本)を作成する。
⑥インタビューを行う。
⑦インタビューの結果分析から、仮説キャンバスの確からしさを確認し、仮説キャンバスの再定義を行いながら、インタビューを繰り返す。
⑧インタビューの結果から、予想していたソリューションの確からしさを確認し、
異なるようであれば、仮説からの再検討が必要となるかも。

2.仮説の一本線

以下の仮説は⼀本で繋がるイメージになる(仮説の⼀本線)。 この⼀本線がどこかで途切れていたり(整合性が取れていない)、事実把握が 出来ていなかったりすると、事業やプロダクト作りを進めていく根拠として弱い。
「仮説の⼀本線」を捉える
状況仮説⇒ 課題仮説⇒ 代替⼿段⇒ 代替⼿段 の満⾜状況⇒ 機能仮説(ソリューション) ※提案価値(+実現⼿段)で表現

3.インタビュー

①インタビュースクリプト(台本)の構造


②インタビューに向けて
a. 状況の確認をする。
キャンバスで想定した状況を確認する。インタビューイが想定した状況と異なっていた場合、当然課題も異なってくる。想定と異なるインタビューイであっても、新たな課題がみつかることもあり
有用ではある。しかし「この状況だからこの課題」という前提が履がってしまうため、インタビューイの選定が一番重要と思われる。実際「セカンドライフ」のインタビューでも想定と異なっていた為、キャンバスの見直し等が発生し混乱をきたした。
b. 課題の確認を行う。
想定した顕在課題、潜在課題について、課題が発生する背景や行動を確認する。
背景や行動を確認することで、より課題が明確になる。と同時に課題として明確になって
いないが、悩み等を聞くことで潜在的な課題が見えてくる。
c. 代替手段についての確認を行う。
課題と思っていることについて、何か行動とか工夫をしているかの確認を行う。
と同時に代替手段についての不満がないかの確認を行う。
d.上がってきた課題のなかで、最も深刻と思えるものを挙げてもらう。
e.想定した解決策(ソリューション)が役に立ちそうかの提案をしてみる。

4.上記の教科書的な進め方を踏まえて学んだ事

①テーマ:「豊かなセカンドに向けて」
統計上、https://seniorguide.jp/article/1048951.html定年後社会との接点を持ちたいが、そのためには仕事をするという人が多いことに着目し逆説的には、仕事をしなければ人との繋がりに不安を持っている人が多いのではという発想をした。
②上記テーマに向けてインタビューイの選定を行い、インタビューを実施。
結果:定年間近の人を選別し3名インタビューを行ったが、結果状況仮説に合わない人で課題仮説が成り立たないことが判明。インタビューイの選定に際して、本来は50人~100人が必要といわれているが、当Labでは無理なため再度ペルソナの設定・仮説キャンバスのやり直しとなった。その時点での仮説キャンバスは以下の通り。
仮説検証の入り口として、インタビューイの選定の重要性を感じた。アンケートも実施し次回はインタビューイの選定を行う。

③インタビューの重要性
以下のインタビュースクリプト(台本)で実施した。観察者としての参加だったが、インタビューイの反応によって即時に課題発見につながる追加質問の重要性を感じた。特に課題・不安に思っていることの引き出し方は難しい。
質問事項について、ある程度想定回答も考えた上でスクリプトの作成が必要と感じた。

④インタビュー結果分析の結果、ペルソナを定年間近から45~55歳で子供が中学~高校に変更し、再度インタビューを実施することとした。4Qで実施予定。インタビューイの選定からのやり直しとなるが、何度もインタビューを繰り返す事によって実現可能なソリューションに近づけたい。

5.まとめ

現役時代の営業経験を振り返ってみて、このような体系だった考え方は全くなかったと思う。しかしながら実際の営業現場で優績者の行動をみると顧客の家族構成・思考・価値観を踏まえた上で、この顧客の課題は何なのか?表立ってはいないが将来の不安は何なのか?を提案書という形で提示し顧客の立場で行動していた。以前に「保険の好きな人・嫌いな人」のHP投稿をしたが、その中で営業職員が嫌いという声が多く見られた。
「しつこい」「自分の成績優先」等の理由が多かったが、そこが優績者と一般営業職員の違いだと改めて仮説検証・R&Dチームで学ぶことができた。
支部長という立場で現時点での学び(ロジカルなステップと検討)を実践できていたら、もう少し違う行動ができたのではないかと思う。
デジタル化が進み、顧客が保険に対する知見を深めるツールも山のようにある。したがって保険会社側も営業方法について、ロジカルに考え・実践していくことが必要と思われる。机上での商品開発も重要だが、やはり顧客ありきで顧客の声をさらに重要視した商品開発・営業方法・付帯サービスの提供が必要ではないか。そういった観点で仮説検証のノウハウを蓄積し、実践していくことが生保には必要と思う。併せて上記の仮説検証を進めるためにも、他業界も含めた動向調査・顧客マーケットリサーチが前提として必要となる。

纏まりのないHPとなってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。