初めての仮説キャンバス体験記

タケオ

キクオくん、この度、新規ソリューションの検討に関わり、そのネタ探し、任命されちゃった。初めてなんで良くわからないんだけど、プロダクトオーナー(PO)ってやつにチャレンジしているんだ。

キクオ

プロダクトオーナーって何ですのん?

プロダクトオーナーとは?

簡単に言うと、プロダクトの責任者だね

株式会社Innovation & Co. ITトレンドのhp抜粋
https://it-trend.jp/development_tools/article/32-0043#chapter-1
プロダクトオーナーは、開発の方向性を定め、プロダクトの価値を最大化することに責任を持ちます。主な役割は、顧客のニーズをもとにシステムの機能や要件を優先順に記述した「プロダクトバックログ」を作成し管理することです。プロダクトオーナーは、プロダクトのROI(費用対効果)を考慮しながら開発チームがゴールできるようにプロダクトバックログの見える化・明確化に努めなければいけません

タケオ

ただ、まだプロダクトのアイデアもないので、昨今の社会問題”少子高齢化”、”人生100年問題”に必ず出てくる、”介護”をテーマに仮説検証することにしたんだ

キクオ

なるほど、介護ですか。案外、良く知らないから、何かアイデア出てきそうですね

タケオ

そうなんだよね。ただどうやって進めたら良いのか良く分からずだったんだけど、仮説キャンバスを使った仮説検証って教えてもらったんだ

キクオ

仮説キャンバスってなんですのん?

仮説検証、仮説キャンバスとは?

仮説を立てて検証していくためのフレームワークかな

市谷 聡啓氏コラムより抜粋
https://octopass.jp/1553/
まず、仮説検証とはどのような活動でしょうか。その言葉の通り、仮説を立てて、その内容の確からしさを検証する活動のことです。立てる仮説の対象は、様々考えられますが、プロダクト作りを進めるにあたっては、まずもって想定している「利用者」についての仮説を見立てる必要があるでしょう。どういう人たちの、何のためのプロダクトなのか、全く見立てがないまま作り進めようとしても、どのような機能やインターフェースを用意するべきか判断がつきません。

ゆえにどのような課題を解決するのかという「課題仮説」、またその課題が発生しうるのはどのような状況なのかという「状況仮説」この両者を掴む必要があるわけです。

もちろん、仮説の対象はこの2つだけではありません。肝心の、どのようにして解決状態をもたらすのかという「ソリューション仮説」プロダクトバックログにもっとも近い内容になるでしょう。また、プロダクトを想定している利用者にどのようにして届けるのかという「チャネル仮説」も立っていなければ、あまりにも運任せといえるでしょう。

こうした仮説を立てるために必要な情報について、現時点でチームが「分かっていること」を整理するための道具が仮説キャンバスです。

仮説キャンバス
キクオ

へぇー、こんなんあるんですね。どう書くんですか?

タケオ

上にある、市谷聡啓氏のコラムを見たら分かるよ。でもせっかくだから、学んだポイント、教えてあげるね

仮説キャンバスの右半分の主語はサービスの対象、顧客、ユーザのこと
仮説キャンバスの左半分の主語はサービスの提供者(我々)
・状況欄は、対象者を特定するための条件誰に話しをきけばいいのか?その誰を特定する際の拠り所。ソリューションで直接解決するものではなく、その人にとっての前提みたいなもの
・課題欄は、直接的なソリューションで解決できるもの
・代替手段は、その改題に対する代替手段とその不満で、その代替手段で満足していたらそのソリューションはいらないということ

キクオ

なるほど。このキャンバス内の整合性も大事なんじゃ?

タケオ

良いところに気付いたね。それもちょっとだけ教えてあげる

・まず、状況、その状況になる課題とは、その課題への代替手段は何か
・状況から顕在課題に、傾向から潜在課題に繋がる
・で、その課題に対する提案価値、手段(ソリューション)を明確に
・提案価値と手段を実現する優位性があるかということ

そもそも大事なこと忘れていた
・ビジョン=顧客が中長期的にどうなってほしいか?
・目的=提供者がどうなりたいか?

キクオ

なるほど、で、出来たんですか?

タケオ

うーん、とりあえず完成!

作成した仮説キャンバス

キクオ

おっすごい、何かそれっぽいですね、新規ソリューション、いけますか

タケオ

そうなんだよ、それっぽいんだが、内容としては今一歩かなぁ

キクオ

どう今一歩なんですか?

タケオ

仮説検証のコーチも含めレビューしたんだけど、言われるまでもなく、気付いていたんだが、結局のところアイデアが平凡なんだよね
介護関係の業界、ソリューション等リサーチ不足もあるんだが、実現手段の価値がね、やっぱりいまいちなんだ
結局、手段がどこにでもありそうってこと
せっかくだから、コーチからの指摘、教わったことも教えてあげる

・状況欄は、検証できる人を特定できる(アーリーアダプター)詳細化および定量化が必要
・実現手段等において、1.価値があるか、2.マネタイズ(儲かるか)の順番で考えるべき
・新規性のためには、代替手段とその不満が重要

キクオ

なるほどですね
で、プロダクトオーナーの道程はどうなんですか?

タケオ

プロダクトオーナーとしては、
1.仮説設定、モデル化
2.検証
3.評価
ってプロセスがあるんだが、まずは、1.のモデル化
プロダクトオーナーのスキルセットとしていろいろあるんだが、まずは、洞察力/仮説検証の能力、ここかな

タケオ

できたことはね、仮説検証のフレーム使えるようになったこと(実践)
一番分かったことはね、価値のある顧客体験を提供できるかが非常に重要であり、それをどうやって導き出すか

タケオ

あとね、おまけ
”アイデアは会議室で生まれるんじゃない!”
アイデェーションには、顧客体験を知る、洞察や共感を高めるための感動、業界やサービスをより知るための観察とか、そういうことも必要なんじゃないかと思うんだ
旅に出るとか、映画・美術館鑑賞とか、そういう非日常的な感動だったり、リサーチもパソコンでググるだけでなく、テーマに関する物事の観察だったり、いろんな人にあって話を聞くとか、感性を高めることも非常に大事だと思うんだよね
あと、リアルな顧客体験を実際に体験することかな

キクオ

なるほど、PO、頑張れ!

タケオ

頑張るわ、道程は険しいが
体験記、これでおしまい…