Insurtechラボ立ち上げに向けて2022年に読んだ本からベスト3を選ぶ

こんにちは、所長のたけひとです。この記事は2022Insurtech研究所のアドベントカレンダーの企画(ラボで学んだこと)の2日目として書いています。

今年読んだ本を振り返って、その中でこの本は良かったという個人的な本のベスト3を紹介したいと思います。

4月にInsurtech研究所ができ、運営をすることとなりましたが、知らないことが多すぎて、色々と本を参考にさせてもらいました。

ラボを何とか運営できたのは先人の本の助けのおかげだと言えます。なお、下記紹介する本は、私が個人的に2022年に読んだ本ということで、ベスト1の本は2022年度出版ではありませんので、ご了承を。

それではさっそく紹介いってみましょう!

第3位:リーンマネジメントの教科書

3位は細野慎吾さんの「リーンマネジメントの教科書」です。著者がリクルートで事業企画、グロースを行った際の経験が記載されています。大企業でサービス開発を行う際に失敗しがちな事例とコツが色々具体的に書かれています。

たとえば、

【地獄のピタゴラスイッチ】

・簡単なプロトタイプのはずが、まるで「ピタゴラスイッチ」の装置のように、次から次へと仕掛けが必要となり、止まれなくなり、結局は巨大なプロジェクトに発展してしまうこと

【一神教マネジメント】

・昭和の時代に成長した日本の大企業によく見られるマネジメント。リーン・スタートアップとは真逆ともいえる考え方で、計画的な目標達成を目指す

など作者の造語がいろいろ出てきます。

皮肉もありますが、イメージアップしやすく、おもしろく読むことができました。新規サービス開発をする際の初心者向けの1冊として非常にわかりやすい内容となっています。手軽に読めるので、リーンスタートアップを読む前にこっちを読んでおくと良いと思います。

またサービス検討をする際に、「いいアイデアが思いつかない。自身には才能がない」と悩みがちですが、そういった場合は、まず間違いなくINPUTが全く足りていないと指摘されており、書籍等の読書の必要性を語っています。紹介されている書籍のまだ1/3の読めていないので、これから私もちょこちょこ読んでいきたいと思います。

Insurtech研究所として何か新しいことを検討するためには、まず自身の読書量が圧倒的に足りてないと気付かされた1冊で、読書ペースを上げるきっかけになった本でした。

第2位:チームトポロジー

2位はマシュー・スケルトンらの「チームトポロジー」です。今年「チートポ」と騒がれた本で、2023年のITエンジニア本大賞でもレコメンドされているので、2023の技術書大賞に選ばれるのでは?と予想しています。プロダクトを作成する組織がどのような体制だとうまくいくか、コンウェイの法則を踏まえながら構成を説明しています。

「システムのアーキテクチャは作り手の組織構造の写しになる」といったコンウェイの法則に則り、どのようにチーム構成を考えるとサービスをよりよくリリースできるか?というテーマで組織論を語っています。

若干同じような話が何度も出てくる読みづらさはありますが、4つのチーム/3つの関連方法については、なるほどと非常に納得感を持って読むことができましたし、こんな風にチームを考えたことがなかったのでチーム構成の重要性を感じることができました。「ストリームアラインドチーム、コンプリケイティッド・サブシステムチーム、プラットフォームチーム、イネ―ブリングチーム」・・・名前が長すぎて読めない。もっと鋭角的に日本語訳してくれたらよかったのに。

組織の構成を考えるマネージャーにとっては必読の本だと思います。なお翻訳者の吉羽龍太郎さんが30分でわかるチームトポロジーとしてスライドを紹介していますので、見てもらって興味を持ったら本を買うと良いと思います。

https://www.ryuzee.com/contents/blog/14566

第1位:正しいものを正しくつくる

1位は市谷 聡啓さんの「正しいものを正しくつくる」です。この本はアジャイルの本なのですが、アジャイルは2度失敗すると書いてあり、アジャイル開発だけでなくその前の仮説検証の重要性を説明しています。とにかく量も多く密度も濃い本で、こんなに内容詰め込むか?と思うほど重要な内容が濃縮して記載されていますので、一気に読むと知恵熱がでます(笑)

2度失敗するとある通り「アジャイル開発」も「仮説検証」も非常に難しいことが理解できます。ただ、難しさだけでなく今後に対しての希望も感じることができる素晴らしい1冊になっています。私がアジャイルの本で1冊だけ薦めるとしたらこの本を選びます。

下記スライドに概要が記載されていますので、眺めてもらって、興味がでたら、本を読んでもらえればと思います。ただ、大きな本屋にしかなかなか置いてありません。アジャイルサムライと一緒に本屋さんに常駐してもらいたい本です。

(正しいものを正しくつくるに加えてチームジャーニーの内容が記載されています)

おわりに

実は、私は本を読んでもほとんど内容を理解できないことが多いです。そのため、『①本を読む⇒②概要をまとめる⇒③勉強会で報告する』という流れで何とか理解しているといった感じです。

下記に「その他読んだ本」で今年読んだ本を載せてますが、9カ月で67冊(1か月7-8冊ペースで読んでました。)ただ、③のまとめ/報告までできたものは、上から32冊までです。だんだんと読んだだけの本が溜まってきました・・・ので、良かった本は今後しっかりまとめていきたいと思います。

本は読めば読むほど自身の知識や考えの浅さに気付くので、来年も今年以上に頑張って読んでいきます! とりあえず来年で世の中のアジャイルと名のつく本は制覇したいと思ってます!

以上、皆さまの読書生活の参考になれば幸いです。記事を読んでいただき、ありがとうございました。

その他の読んだ本

以下、参考で今年読んだ、その他の読んだ本の羅列です。概要については下記記事に記載していますので、良かったらそちらもご確認ください。

なお、★印はベスト3には漏れたもののおすすめの本となります。

アジャイルサムライ(Jonathan Rasmusson)

アジャイル開発とスクラム(平鍋 健児 他)

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK(西村 直人 他)

ふりかえりガイドブック(森 一樹)

カイゼンジャーニー(市谷聡啓他)

エンタープライズアジャイル開発実践ガイド(長瀬 嘉秀)

いちばんやさしいアジャイル開発の教本 (市谷聡啓他)

XPエクストリーム・プログラミング入門―ソフトウェア開発の究極の手法(Kent Beck)

Clean Agile 基本に立ち戻れ(Robert C.Martin)

リーン・スタートアップ(エリック・リース)

デザインリサーチの教科書(木浦幹雄)

組織を芯からアジャイルにする(市谷聡啓)

達人プログラマー(David Thomas他)

チーム・ジャーニー 逆境を越える、変化に強いチームをつくりあげるまで(市谷聡啓)

ここはウォーターフォール市、アジャイル町 (沢渡 あまね 他)

みんなでアジャイル(Matt LeMay)

スクラム実践入門(貝瀬 岳志 他)

SCRUM MASTER THE BOOK(Zuzana Sochova)

PMBOKガイド第7版(Project Management Institute)

感性思考(佐々木康裕)

はじめてのUXリサーチ(松薗 美帆 他)

プロダクトマネジメント ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける(Melissa Perri)

ノーコードシフト(安藤 昭太)

ソフトウェアファースト(及川 卓也)

ユーザーインタビューの優しい教科書(奥泉 直子 他)

アジャイル開発マネジメント クイックガイド(高畠 勇人他)

アジャイル型プロジェクトマネジメント(中谷 公巳)

わかりやすいアジャイル開発の教科書(前川 直也)

両利きの経営 (チャールズ・A. オライリー 他)

スタートアップ・ウェイ(エリック・リース)

LeanとDevOpsの科学(Nicole Forsgren Ph.D他)

LEAN UX 第1版/3版(Jeff Gothelf他)

プロダクトマネジメントのすべて(及川 卓 他)

OODAループ(チェットリチャーズ)

心理的安全性とアジャイル(ドゥエナブロムストロム)

トヨタ生産方式(大野 耐一)

アジャイル開発への道案内(片岡雅憲 他)

【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド(斎藤 昌義)

More Effective Agile ~“ソフトウェアリーダー”になるための28の道標(Steve McConnell)

図解でわかるアジャイル・プロジェクトマネジメント(鈴木 安而)

ゾンビスクラムサバイバルガイド(Christiaan Verwijs)

変革の軌跡 世界で戦える会社に変わる”アジャイル・DevOps”導入の原則(Gary Gruver他)

スクラムを活用したアジャイルなプロダクト管理(ローマン・ピヒラー他)

リーン開発の現場(Henrik Kniberg)

DX人材の育て方(岸知良 他)

だから僕たちは組織を変えていける(斉藤徹)

スクラム-仕事が4倍速くなる世界標準のチーム戦術(ジェフサザーランド)

ストーリーマッピングをはじめよう(ドナ・リチョウ)

デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー (市谷聡啓)

デザインスプリント(ジャスパー・ウ)

誰も教えてくれなかったアジャイル開発(シグマクシス)

アジャイルレトロスペクティブ(Esther Derby他)

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣(Venkat Subramaniam他)

図解入門よくわかる最新XPエクストリームプログラミングの基本と仕組み(畑田 成他)

問いのデザイン (安斎 勇樹 他)

マッピングエクスペリエンス(James Kalbach )

システム開発は絶滅危惧業種になってしまうのか?アジャイル的50の生き残り術(長橋 賢吾)

アフターデジタル(藤井 保文 他)

アフターデジタル2(藤井 保文 他)

人月の神話(Jr FrederickP.Brooks)

(読書中)組織パターン(James O. Coplien)

(読書中)スクラム実践者が知るべき97のこと(Gunther Verheyen)

(読書中)アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン(Mary Lynn Manns他)