11月21日(金)に開催されたpmconf2025 大阪に参加しました。
感想をお伝えしたいと思います。
pmconf(プロダクトマネージャーカンファレンス)とは
プロダクトマネジメントに携わる人たちの、学びや交流のための場として、2016年より継続されているイベントです。例年テーマが設定されていますが、今年のテーマは「未来に挑め」でした。
例年、関東での開催となっていましたが、今年度はオフライン開催によるリアルな場づくりを重視されたとのことで、東京と大阪の2拠点開催となっています。私は関西在住のため、大阪会場の参加申込をしました。
プロダクトマネージャー⼀⼈ひとりの成⻑と挑戦が、
pmconf2025ホームページより引用
新たな未来を⽣み出す。
pmconfは、それを信じています。
pmconf 2025は、プロダクトマネージャーの成⻑意欲と挑戦への
熱量がぶつかり合う場へと進化します。
登壇者は、より良い未来を切り拓く挑戦のリアルを語る
参加者は、切磋琢磨の渦に⾶び込み、挑戦のエネルギーを⾼める
スポンサーは、この挑戦の場を⽀え、熱狂を共に創り上げる
そして、ここで⽣まれる熱量が、未来を動かす原動⼒となる。
印象に残った講演
講演は11枠ありましたが、全ての感想をご紹介するととても長くなってしまうため、特に印象に残った3つをご紹介します。
①複数の大企業でPdMとして貢献するために、5社で学んだ組織適応と価値創造の手法
株式会社ラクス 植木さんによる講演です。大企業におけるプロダクトマネジメントで発生しがちな課題に対する、5つの教訓を共有いただきました。
発表を聞いて、いずれも発生してしまいがちな課題だと感じました。特に私個人としては、(1)と(4)について、気をつけたいと考えています。こまめなフィードバックや認識合わせを行うことによって、自然と周囲が応援してくれるような状態になった経験もあるため、タイムボックスを短くする・目標を細かく分解することはとても重要だと思います。気をつけなければすぐにこの課題に陥ることがあるので、注意したいです。
植木さんが最後におっしゃっていましたが、「凡事徹底」。まさにその通りだと考えさせられました。
②制約を変数にする方法 ─伝統的な大企業で成果を出す”3つの覚悟”─
JR西日本 山口さんによる講演です。BizDevによる分業が組織の現状となっている中、事業成果を生み出すチームづくりや組織変革にチャレンジされている様子を知ることができました。
講演の中では、3つの覚悟に触れられていましたが、いずれも方法論に捉われず現状と向き合った泥臭いアプローチばかりでした。現状を変えたいという思いと、それによって事業成果(顧客価値)を生み出したいという熱意が伝わってきました。
プロダクトマネージャーが、事業成果に繋がる組織変革(または障壁の突破)を考え、アプローチ方法を設計しながら試行錯誤していくイメージがとても具体的につけられる内容でした。
(1)内省=安心の信頼を勝ち取る
- 問題や問い合わせに高速レスポンスで対応する
- サービスを止めない
- テック企業レベルの開発組織を目指す
- チームをモチベートする
- 高スキル人材を厳選・採用する
(2)主体的に企画する・期待値を超える
- ユーザだけでなく、社員にも「ええやん」と思わせる提案をする
- 高打率を目指す
- 企画の主導権を得る
- 事業部門が企画するという制約を取り払う
(3)プロダクト志向をを日常に広げる
- 社内レギュレーションを読み込んで、世の中の動向を示しながらレギュレーションの変更を変えるために、何度も関係者と掛け合う
- Bizと共同で現場に行く
- 関係者に課題を熱意を持って何度も伝える
③生成AI時代に未来を切り開くためのプロダクト戦略:圧倒的生産性を実現するためのプロダクトサイクロン
株式会社エムスリー 山崎さんによる講演です。ディスカバリー・デリバリーいずれにもAI活用が当然のようになってきました。(デスクトップリサーチ、インタビュー分析デザイン、コーディングなど)作るのが楽になった状況だからこそ、売れない・価値がないものを作るリスクが上がっていることが問題であると提起されていました。
百回打てば一回当たる世界よりも、百発百中〜十中八九当てるつもりでプロダクトを作るマネジメントについて、7つのサイクルを忠実に進めることが必要であるとおっしゃっていました。
私は、山崎さんの内容が素晴らしいと思いました。なぜなら、プロダクトを検討するにあたり、至極当然のことをきっちり進めるべきだと共感したからです。AIやメソドロジーの活用により便利な状況になっても、シンプルに必要なことをやるべきであると痛感しました。
まとめ
今回、pmconf2025に参加して感じた印象として、例年のキラキラした内容が少なく、現状を装飾せずに捉えた発表が多かったということです。
多くの発表者が、「状況に惑わされず、やることをしっかり・実直にやる」「やり切ることがしんどいのは当たり前であり、限界を突破する」というような覚悟を持たれているように、私は受け取りました。
現地の方々とも、「スピードが上げられるようになった環境だからこそ、小手先のテクニックではなく、着実な実施とそこから得られる学びをどう反映するかが大事だね」という会話で盛り上がりました。
社外のカンファレンスに出ることで、大きな刺激を得ながらも、どっしりと重い責任を感じた1日となりました。みなさまも、自分自身へに変化や刺激を与えるために、カンファレンスに出席されてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。













(1)役割分担への固執 → 柔軟に仕事を巻き取るべし
(2)理想を追求しすぎて合意できない → 分解して、30点くらいを目指して方向性を微調整すべし
(3)ルールに厳格すぎて、殺伐とした関係性になる → 相手のKPIや興味を知った上で、解決策を協議すべし(効率を最優先するべからず)
(4)時間軸が長くなり、短期的な成果が見えずに孤立する → 小さな成果でも可視化できるタイミングで見せるべし(「進めるべき」と上申してくれる武器を渡す)
(5)報告不足で、守ってもらえない → レベル感・タイミングに気をつけてこまめに報告すべし