巷で流行り?の「焼肉レトロスペクティブ」についてチームで実施してみたので、感想を記載します。
正直イロモノだと思っており、やる前は、『1回はやってみたいけど、1回経験したらもうやりたいと思わないだろう』と軽く見ていましたが、実施してみたら学びが多くて、非常に良かったので、感想をまとめておきます。やる前の自分にグーパンですね。いやぁ、これマジでお勧め。。
焼肉レトロスペクティブとは?
「焼肉レトロスペクティブ」はRSGT2024で紹介されていた振り返り技法になります。詳細は下記スライドで説明されていますが、スクラムマスターの研修のワークで原田さんたちが編み出したものということでした。
<焼き肉レトロスペクティブのやり方>
1.焼肉の楽しそうな画像を貼る
2.ふりかえる期間の出来事を、焼肉に例えながら付箋に書き出す
3.付箋の内容を紹介し合う
やり方はこれだけです。正直良く分からないですね。他の経験者の方の感想をブログ等で見た時も正直良くわかりませんでした。ただ、原田さんの講演では、遊び心を大事にしたふりかえりのため、あえてやり方も遊ぶ余地を残しており、皆でどうやるかルールを決めながら進めてほしいとのことでした。
まさにやってみると良くわかる内容でした。
実際にやってみた
実際にMIROのボードに焼肉の絵を貼って皆で付箋を書いて共有しました。
付箋にコメントが多いのは、焼肉のメタファーに置き換えると何のことだか自分でも忘れそうだったり、後から見てわからなくなるため、メタファーに置き換える前のふりかえり内容をコメントで書いている人が多くいたからです。
下記やってみて良かった点です。
純粋に楽しい
事象を焼肉に置き換えるという行為が純粋に楽しいです。「焼肉」がそこまで好きなわけではなかったのですが、焼肉の話をしているだけで盛り上がりました。ふりかえり内容を焼肉に例えると事象について前向きな気分でディスカッションできた気がします。
人の話をよく聞く
私は普段、人の付箋を先に読んで話をしっかり聞いてないことが多いなと気づきました。
焼肉レトロスペクティブは付箋は焼肉メタファーなので、それだけだと何のことかわからず、発表者の意見をしっかり聞くし、さらに、なぜそのメタファーに例えたかという個人の価値観の要素に踏み込んで聞こうとしているなと感じました。これは非常に良い学びでした。
たとえば、『新しい炭が追加された』という内容があり、それは、今回メンバーが新たにモブプロに加わったということでした。まだ炭にちゃんと火がついてなく、火力は上がりきってないけど、これから火力上がりそう。火力上げるためにはどんなことに注意しようか?みたいな話をしたのですが、これは『新しい炭が追加された』といった書き方じゃないとこんなに盛り上がらなかった気がしています。メタファーで書いてくれることで他の人も前のめりでメンバーの意見を想像しながら聴くことができたのがとても良かったですし、普段からもっと意識したいと改めて思いました。
メタファーへの例えの中で色々考える
ふりかえりの内容を焼肉という別のメタファーに無理やり置き換えるという作業が発生するのですが、その中で「事象を思い出す」⇒「メタファーに当てはめる中で事象についてメタ認知する」⇒「遊び心を持って皆に聞いてほしいと前向きな例えを探す」といった行動を行い、これが、ふりかえりをとてもクリエイティブな活動にしているなと感じました。
ふりかえりの画像を外部に共有できる?
メタファーなので、ふりかえりの画像を共有しても、機密情報等に引っかからないといった意見も出ました。ただ、後から見た時自分達も何のことだかわからなくなりそうといった問題もあり層と話しました。
感想
やる前とやった後で大きく印象が変わり、学びが大きい技法でした。メタファーに置き換えてチームメンバーで共有するという行為はかなりパワーがあるなと感じました。またお題が集団で楽しむ「焼肉」というのもとても良いなと思います。
ふりかえりやブレストなど、立場やスキルの差でメンバーの発言の強さや正解/正解じゃないといった枠組みに囚われることがあると思っていて、それをどうすれば脱せられるかというのはテーマでした。心理的安全性を高めるということで色々考えていましたが、この技法はまさにそういった囚われから脱することができる方法でした。遊び心を持ってメンバーで、フラットな関係でディスカッションするって難しいし、楽しいなーと改めて感じました。
またやりたいですし、この方法以外でもそういったメンバーがよりフラットに真面目にディスカッションできる枠組みは引き続き検討していきたいと思いました。ありがとうございました。