始めに
この記事では、2025年1月8日~10日に開催されたRSGT2025に初めて現地参加した際の体験や感想を書きます。
会場の様子
会場にはたくさんの人が参加しており、動画で見たことのある人、外国の方、同年代の方など、さまざまな方がいらっしゃいました。
雰囲気も親しみやすく、パックマンルールといった仕組みにより、人との交流が自然と生まれる工夫がされていました。そのおかげで、初参加でも十分に楽しむことができました。
印象に残ったセッション
私がRSGT2025のセッションで最も印象に残ったのは、aki.mさんの「アジャイル成熟度評価の陰と陽 〜組織やチームがアジャイルかを評価する前に考えたいこと〜」です。
このセッションでは、アジャイル成熟度の評価における「陰」と「陽」について話されていました。
私のチームでも、スクラムがうまく機能しているかどうかについて話し合うことがあり、チーム内で評価を行うこともありました。
その際、評価は定量的なものになりがちですが、aki.mさんのセッションでは、こうした評価には「罠」があると指摘されていました。
評価の陰(罠)
- 評価は断面的なものであり、総合的な判断ができない。
- 定量的な評価は簡単に作成できるため、仮説に沿った理論付けを目的とした評価になりがち。
- 作成された評価は主観的なものであり、客観性を欠く。
これらの「罠」があるとおっしゃっていました。
一方で、評価には良い面もあると指摘されていました。
評価の陽(良い面)
- 学習を促進する。
- 評価を通じた分類が、新たな知見の獲得につながる。
- 単純化された評価は、異なる職種間での共通言語として機能する。
- 信頼が不足している場合でも、定量的に測定された数値がコミュニケーションを円滑にする。
感想
たしかに、数値的な評価は簡単に作成できてしまい、必ずしも客観的なものにはならないと感じました。
こうした課題を補うために、スクラムではチームを外部から観察するスクラムマスターが存在しているのではないかと考えました。
また、これらの「罠」は自己組織化によって解決できるのではないかとも思いました。
評価は簡単に作れてしまいますが、それは「良く見せようとする」意識があり、それが「チームを良くする」や「プロダクトを良くする」という意識と乖離していることが問題なのではないかと思いました。
自己組織化が進むことで、チームやプロダクトを自分事として捉え、「良く見せようとする」ではなく「本当に良くする」ことに集中できれば、定量的な評価もうまく活用できると感じました。
また、私自身について言えば、評価は学習意欲の維持や促進につながる側面もあると感じています。そのため、「良い面」を積極的に活かしていきたいと思いました。