スクラムフェス金沢2025に現地参加しました!


6/13(金)、6/14(土)にスクラムのイベントであるスクラムフェス金沢が開催されました。

昨年、スクラムフェスに初めて金沢で現地参加して、とても楽しく、今年も参加してきたので、その報告になります。

スクラムフェス金沢 | Scrum Fest Kanazawa | 2025

スクラムフェス金沢2024はアジャイルコミュニティの祭典です。 金沢にアジャイル開発・スクラムの実践者、これから実践しようとしている人たちが集い、対話し、つながる場をつくります。 スクラムフェス金沢では以下の目的を掲げます。 ・対話することの価値を分かち合う ・アジャイル開発、スクラムについての知見や経験、想いを共有する …

参加しての感想

 私は福井に住んでいるので、地元組として参加しました。飲み会に参加し、前の席が福井の人だったり、講演者が福井の人で感想を伝えに行ったところ、福井の話で盛り上がったりで、福井にも活躍しているエンジニアがいるんだ。と親近感を持って初対面の人たちと話ができたのが良かったです。また、この仲良くなった人たちと、次どこかで会えるのが楽しみになりました。

スクラムフェスの楽しみ方

 スクラムフェスの楽しみは、やはり初対面の人ともスクラムを通して、場の共有ができたり、仲良くなれるということだと思っています。参加して初めてわかることもあったので、楽しみ方を書いておきます。

①申し込む

 毎月、全国のどこかで実施しているので、近くで開催があれば申し込みしましょう。
この先、次のスクフェスが開催されるようです。

②参加者と話をする

次が話をするタイミングになります。このタイミングでどれだけ話できるかで、楽しさが変わってきます。積極的に話しましょう。
スクラムフェス金沢しか参加したことがないので、金沢での会話タイミングの例を説明します。

スポンサーブース

 会場入り口にスポンサーのブースがあります。

「こんにちは〜」から始めて、会社の話などを聞いて、スポンサーの会社の人たちと仲良くなりましょう。次にどこかのイベントで会った時の会話のきっかけになるかもしれません。

ネットワーキング 

 基調公演・スポンサーセッションが終わったタイミングで、参加者同士で話をする場があります。
知り合いがいるといいのですが、誰もいない場合は、名刺を持ってキョロキョロしていると、同じような人がいるので、その人に話しに行きましょう!
 事前に講演リストをチェックしていれば、講演者に「明日の講演楽しみにしてます。」と伝えるのもいいかもしれません。

飲み会

 会場の後ろにホワイトボードが設置されているので、会場に入場したタイミングで付箋に自分の名前を書いて貼りましょう。基調公演が終わったタイミングでは参加人数枠が埋まっているかもしれません。
 去年の参加では、この仕組みを知らなかったため、気づいた時には、枠がいっぱいで飲み会に参加できませんでした。今年も忘れてあふれましたが、あふれ組の枠が急遽設定され、そこに名前を書いたため別枠で参加できました。

講演者に感想伝える

 講演が終わって、次の講演の間には10分ほど休憩があります。このタイミングで講演者に話しに行きましょう。まずは、講演良かったです。と感想を述べ、話のここが共感できました。とか、ここについて教えてください。という話をすると、講演者と仲良くなれます。

OST(Open Space Technology)

 イベントの最後にOSTがあります。話したいテーマを持った人がテーマをあげ、興味があるテーマのテーブルに参加して議論する場です。
 いろんな人が同じような悩みや疑問を持っており、その話を聞いてこんな解決方法があるのか?だったり、こういう考え方があるのか?と、とても参考になります。
 話が苦手な人は場を共有して、うん、うんと共感してるだけでもいいと思います。しかし、一言でも自分の考えを述べてみると、優しい誰かが応えてくれるので、話してみましょう。

講演を聞いて

Day1

基調公演:国土強靭化とは何か? ~能登半島地震・豪雨に学ぶ~ 雄谷 良成 氏

 印象に残ったのは、この話でした。

 いくつかの福祉施設を運営している中で、ジムやお酒を飲める場所を作り、知的障害者の人も、介護が必要な人も地域の人も「ごちゃまぜ」にしたことで、そこで発生した良い変化の話でした。

 福祉施設から外に抜け出して、万引きを繰り返し、執行猶予がついた知的障害の人が、人が集まる憩いの場を作ったことにより、盗みをしなくなった。とか、ガンで余命短い講演者の父親が、人と触れ合うことで、緩和治療で苦しいはずなのに、短い瞬間ではあるものの生き生きとした時間を取り戻したりといった話でした。
 ちょうど私の年老いた母親がガンの悪化で1週間前に入院したこともあって、自分は楽しい場を作ることができていたんだろうか?と考える話でもありました。

 飲み会では、この講演の質問コーナーで出た話で、クリストファー・アレグザンダーのパターンランゲージの話で盛り上がっていました。かなりの人が「アレグザンダー」で盛り上がっており、アレグザンダーを知らず盛り上がれない私は勉強不足を感じました。勉強して、次の機会があったら話に参加できるようになりたいと思いました。

初めてのプロダクトオーナー:エンジニア出身者が挑む、価値最大化への挑戦と学び 岡島 一樹氏

 福井で電子回覧板のプロダクト(タウンデジポ)のプロダクトオーナーになって、いろいろ気づきがあった点を共有する話。これまで受託開発しかやっておらず、初めての自社プロダクトで企画から考えられるのは今しかないと講演者が手を挙げ、何もわからない状態で立てた計画通りに作業は進まず、慣れてないことを認識し、慣れてきたら筋トレ(少し高めの計画)などの施策を実施したところ作業が改善した話。利用者が増えないことに対しては、サブユーザーを家族ユーザーに名前を変えたり、シンプル化を行うことで対応したという話。
 講演者に感想を伝えに行くと、次はあなたが発表する番ですよと言われました。いつか岡島さんのように発表できるといいなぁ。

Day2

スポンサーセッション(クリエーションライン)

 社内でAI駆動開発を行っており、PoCでは設計からテストではAI駆動開発が活用できる、基幹システムでは使えないとシステムレベル×工程でAIの活用可否を定義しているとのこと。新人育成にもAIを活用しているが、今使える範囲と未来では異なるため都度見直しが必要。AI利用する上でソフトスキルも重要と考えているとの話でした。
 確かに、AIに指示を出したり、人に対して考えを伝えるには、言語化能力が重要で、今後は理系より文系の人の方が価値があるんじゃないかと考えたりする話でした。

石川県のとある企業が変革し続けていく話 Hiroyuki Honda氏

 昨年の基調公演で話のあった北國銀行に関連する話で、パートナーの立場から見た北国銀行のプロジェクトの話でした。ペーパーレスのプロジェクトで、ペーパーレスというゴールを明確にし、細かな実施内容は現場に任せたり、責任はトップが取ることを明確にし、トップの考えをミドル層が理解して作業を進めたのがよかったという話でした。プロジェクトが成功した理由のいくつかを講演者の本多さんが仮説を立て、それを北國銀行の人に実際に確認して検証できている点は、良い関係が築けているんだなと感心した発表でした。

上長や社内ステークホルダーに対する解像度を上げて より良い補完関係を築く方法 Madoka SUGAHARA 氏

 作業をスムーズに進めるには、2階層上の人の考えを理解すると良いとの話があるが、上長が何を考えているかわからない。まずは、上司が何を考えているかを図で書いたが、見ているものはわかるが、何を考えているかが書けなかった。1on1で直接確認をして、図を埋めていくことによって、考えが理解できるようになった。自分の考えを適切に意見を伝えるにはDESCが重要という話でした。

D:describe 客観的な事実の描写
E:express/explain/empathize 主観的な気持ちの表現/説明、相手の気持ちへの共感
S:specify 自分が望む行動・解決策・妥協案など、特定の提案
C:choose 肯定と否定の両方の結果に対する自分の選択肢を用意 

私も上司の考えと自分の考えがずれているなと感じる時がありますが、対処方法がわかっていませんでした。やはり対話が必要で、その際にDESCという考えが重要なんだなと思いました。少しずつDESCの理解を深めて、試していけたらと思いました。

「意見が出ない」「次につながらない」を打破!みんなで創る、レトロスペクティブ スタイルエッジの2人

 振り返りでKPTを実施しているが、KPは出るが、Tが出ない。特定の人しか意見を言わないなどの課題があった。フレームワークを改善し、出来事を書くようにしたり、KP書いて共有して、Tを書いて共有など進め方を変えることによって改善できたという話。
 これは、私たちのチームでも最近同じ問題が出ており、共感できる課題でした。ただ、発表で出た施策はすでに行っており、その上で問題が出ているため、どうしたものかと思いました。
 しかし、発表後に登壇者に感想を伝え、対話する中であるフレームワークに変えた時が有効だったという話を聞けたので試してみたいと思いました。

10分交替のモブプロがコンテキストの共有と集中力を高める クリエーションラインのアジャイル侍の人

 ベテラン社員と新人社員の2つの視点で10分交代のモブプロがいいという話が聞ける発表でした。モブプロ生みの親であるクリスさんが過去のスクラムイベントで交代は5分がいいと言っていたので、交代を短くしたという内容でした。
 この話の中で、「モブプロにルールはなく、唯一のルールはうまく一緒に仕事をする」という話が印象的でした。
 25分交代から10分にすることで、単なる交代から、やること明確にする→コード書く→振り返りというイテレーションに変わって、集中できるようになったという話でした。
 私たちのチームでは、ドライバーが交代申告制で、気分が乗っている間はずっとコードを書くというやり方になっています。10分だと中途半端なタイミングでの交代になりそうな気もしますが、他でも短くした方が効果的との話を聞くので試したいと思いました。

価値見積もり入門ープロダクトバックログで学ぶリアルオプション事前準備編 Kiro Harada氏

 価値には機能的価値、感情的価値、金銭的価値…があるが、今回は金銭的価値についての話でした。価値はROI(算出価値/投入価値)で測れるが、期間にもよるとのこと。割合を見せられたら、実数を確認せよ。実数を見せられたら、割合を確認せよ。などなど。この後難しくてついていけませんでした。

アジャイルコミュニティを25年続けてわかってきたこと Takeshi Kakeda氏

 東京から松山に戻ってコミュニティを続けた話を、東京時代(2000-2009)、愛媛時代(2010-2020:コロナ前)、愛媛時代(2021-:コロナ後)に分けて説明されてました。当初はオタクが熱く語れる場だったが、コロナでオンラインになると一人で運営するつらみがあったり、コロナ後はオンラインが乱立して参加者が少なくなったり、最近は懇親会含めてオフライン良さを改めて感じており、コミュニティを続けるには状況に応じて変化させ、無理せずたまに休むことも必要との話でした。
 コミュニティは始めるのも難しいが、運営も難しそうだなと思う話でした。それでも、熱い思いを持った人たちが集まることで、「ごちゃまぜ」で良い反応が起きるのだろうなと思う話でした。

まとめ

 昨年、後で知ったのですが、初回だったからかスクラム界隈で有名な人の参加が多かった気がします。今年は、昨年見なかった人が多く、初めて話をする人も多かったです。それでも昨年以上に楽しむことができました。
 それは、初めて話をした人が福井出身で、福井出身のエンジニアも多くいるんだといことを認識したからだと思います。2年前に関東から福井に戻り、参加するイベントが少ないなぁと寂しく思っていたからかもしれません。今後も身近なイベントに参加して、アジャイルやTech関係の仲間を増やしていけたら嬉しいなと思いました。