この記事は2025.1Qアドベントカレンダー2日目の記事で書いています。3カ月に1回毎日勉強会を実施するという企画「学びフェス」がまた始まりました。昨年は会社の中で「働きがい表彰」という章をもらえましたが、今年もV-UPして進めていきたいと思います。
今回のテーマはFearlessChangeという副題を付けていますが、本日は学びフェスとは何なのか、なぜFearlessChangeという副題を付けたかという話をしてきました。
FearlessChangeの副題について

FearlessChangeは、組織変革のパターン集として知られる書籍で、”小さな試み”や”周囲の巻き込み”の重要性を解説しています。今回の学びフェスでも、そのエッセンスを意識しています。
今回は学びフェスがどのように変化の一手にしていこうと考えているか、学びフェス自体がFearlessChangeのパターンを意識しているかを説明しました。その前に、若干イメージがつきづらいと考えたので、下記小説を話して成果のイメージから始めています。
「また学びフェスか…」
朝、イントラトップに表示されたお知らせを見て、佐伯は小さくため息をついた。
「オンライン勉強会?今さら何を学ぶっていうんだ…」
目の前のタスク管理ツールには、ぎっしり詰まった開発案件のリスト。勉強会に時間を割く余裕なんてない。同じプロジェクトを担当している千佳が声をかけてきた。
「佐伯さん、学びフェス見てます?今回、うちのチームの先輩が話すらしくて」
「内部の人間か。へえ…」
「私、ちょっとだけ覗いてみようかなって思ってて」
千佳が画面越しに見せる笑顔に、佐伯は肩をすくめた。
「…ま、自由参加だしな」
フェス当日。
午後の進捗確認の後、千佳からチャットが飛んできた。
「今から学びフェスの動画視聴会、一緒に見ません?」
佐伯は少し迷った。けれど、最近プロジェクトの空気が硬いのも気になっていた。
「わかった。15分だけな」
Teamsのリンクをクリックし、オンライン会議に入る。
登壇していたのは、別の部署の先輩。普段はあまり目立たないけど、学びフェスでは「プロジェクトで小さな挑戦を試す大切さ」について話していた。
「最初は半信半疑だったけど…」
先輩の語り口は淡々としていた。でもその話の中に、いくつか心に残る言葉があった。
「小さな挑戦を積み重ねると、気づかないうちにチームの雰囲気が変わるんです」
千佳がカメラ越しに小声で言った。
「なんか、いい話ですね」
「…そうだな」 いつもならそっけなく流していた佐伯が、気づかれないように小さくうなずいた。
学びフェスは特別な盛り上がりもなく、参加者がぽつぽつと感想を投稿しているだけ。
でも、終わった後のチャットに千佳が投稿していた。
「小さなことでも試してみるって、意外と大事なんですね」
翌週。
プロジェクトの進捗報告の合間に、佐伯はふと思い出した。
「…この間の話、ちょっと試してみないか?」
言った瞬間、少しだけ恥ずかしくなった。けれど千佳が画面越しに笑った。
「私、手伝いますね。小さい挑戦、ちょっと楽しみです」
その笑顔を見て、佐伯も苦笑した。
「ま、そうだな。少しずつでも、やってみるか」
学びフェスのあと、特別な変化はなかった。プロジェクトの忙しさに変わりはない。だけど、ふとしたときに思い出す言葉があった。
「小さな挑戦でも、誰かがそれを応援してくれる」 そんな空気が、確かにあった。
学びフェスとFearlessChangeのパターン
小説の後で具体的に学びフェスがどのようなパターンを使っているかを説明しました。
パターン | 学びフェスでのポイント |
---|---|
協力を求める [Ask for Help] | アジャイル・プロダクトの文脈を中心に毎週勉強会を実施中。および3カ月に1回学びフェスを実施!! |
外部のお墨付き [External Validation] | 勉強会では動画視聴会等、外部の知見を共有しています |
ブラウンバッグ・ミーティング [Brown Bag] | ランチタイムや夕方の枠を中心に実施中 |
協力を求める [Ask for Help] | 学びフェスでは登壇者を広く募集しています。またコミュニティを手伝ってくれる仲間も探しています |
体験談の共有 [Hometown Story] | 実際のプロジェクトでの経験内容などを話したりしています |
著名人を招く [Big Jolt] | 社外の方にも話してもらっています |
電子フォーラム [e-Forum] | 社内のTeamsに登録するとカレンダーが送られるため、登録下さい |
種をまく [Plant the Seeds] | 実施内容は動画やブログにまとめています |
小さな成功 [Small Successes] | 学びフェスが2024の「働きがい向上取り組み表彰」に選ばれました!!! |
補足:コッターの企業変革の8段階モデル
また、組織変革と聞くとコッターの8段階モデルをイメージする方も多いと思います。
このモデルはかなり真理だと思いつつも、今のご時世「1の危機意識を高める」をアピールすると一般社員は辞めてしまうと思っており、どちらかというとミドル以上が対象という気がしています。今の職場の空気感としては、強い危機感をあおるよりも、日々の小さな成功を積み重ねる方が効果的だと感じています。
ちょうど今回の学びフェスの読書会「エスキモーに氷を売る」というマーケティングの本を読むのですが、この本でも強調されています。
そのため、危機意識の醸成ではなく、ちょっとずつ変化を体験させることが大事だと思っており、その点でもFearlessChangeのパターンを適切に使うことが重要と考えています。

感想
ということで、学びフェスの1日目でした。明日以降、1カ月間盛り上がると嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございました。
1.危機意識を高める
2.変革推進のための連帯チームを築く
3.ビジョンと戦略を生み出す
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発を促す
6.短期的成果を実現する
7.成果を生かして、さらなる変革を推進する
8.新しい方法を企業文化に定着させる