【仮説キャンバスTips】「なぜなぜ分析」で仮説の整合性を高める

この記事は2023年12月アドベントカレンダーの22日目の記事です。
InsurTechラボでの活動を通して、デザイン思考や仮説検証アプローチについて学んでいますが、本記事は実務で使っている「仮説キャンバス」の活用にあたって個人的に気になった点を纏めています。(仮説キャンバスについては以下の記事を参照ください)

はじめに

InsurTechラボでは仮説検証アプローチを採り入れていますが、仮説立てに際して「仮説キャンバス」というフレームを使っています。

仮説キャンバスの構成はざっくりいうと、キャンバスの右側にユーザー仮説(状況や課題等)を、左側にユーザーの課題を踏まえたソリューション仮説を整理していきます。
キャンバスの左右を埋めてみた際に、ユーザーの課題仮説(右側)に対して、ソリューション仮説(左側)が整合しているのかどうか、、論理が飛んでしまっていることはないか?・・・、と思うことがあり、それをどうやったら解消できるかなという思いから、個人的な見解を記事に纏めてみることにしました。

仮説キャンバス

仮説キャンバスの構造を改めて考えてみた

仮説キャンバスの構造を改めて理解しようとしたとき、私は自身のコンサル業務で教わってきたアプローチと紐づけて考えてみることにしました。
コンサルのアプローチでは、「現状分析➔問題抽出➔原因分析➔課題整理➔施策検討」という大きな流れで進めることが多いです。あるべき姿に対して現状との間にGapがある場合、その状況が「問題」(例:太ってしまいお気に入りの洋服が着れない)。問題が起こるのには何か要因があるはずでそれが「原因」(例:運動不足)。問題を解決するためには原因を解消する必要があり、その解消に向けて必要なことが「課題」(例:運動の習慣化)。課題を踏まえて具体的に実施するアクションが「施策」(例:週に2回は一駅分歩く)、というような流れで考えていきます。

(コンサルアプローチ例)

上記のアプローチを踏まえて、仮説キャンバスの構造を捉え直してみると以下の通りです。こう眺めてみると「原因」にあたる部分を問う部分が無さそうな気も。「状況仮説」の中で原因仮説も表現したらよいのかもですが。。

仮説キャンバスとコンサルアプローチの紐付け)

仮説キャンバスだけに閉じず「原因分析(なぜなぜ分析)」を採り入れてみてはどうか?

「状況仮説」に原因を意識して表現するという手もありそうではありますが、原因は単純なものではないことが多いです。1つの原因に対して、「なぜ?→それはなぜ?→それはなぜ?・・・」と深く分析していくことで真の原因が明らかになるものであり、キャンバスだけで解こうとする(記載域として)無理があるケースもありそうです。

単純なものであればキャンバスで事足りるかもしれないですが、深く分析する必要がありそうであれば、キャンバスから一旦離れて、「なぜなぜ分析」を中間ワークで入れてキャンバスに落とし込んではどうかと考えます。

なぜなぜ分析とは、原因を「なぜ?それはなぜ?」とツリー状にどんどん深ぼっていく手法です。深く掘っていく中で根本的な原因を突き止め、それを解消するための課題を特定することで、施策の効果を最大化できるという考えに基づくものです。

キャンバスの作成にあたっても、課題仮説(=問題のこと)について「なぜそのような問題が生じているのか」を別途ワークして深ぼってみることで、キャンバス左側のソリューションとの整合性もしっくりくるものになるのではないでしょうか。

(なぜなぜ分析)

おわりに

様々なキャンバスがある中でも仮説キャンバスは問題を解決するうえで考えるべき要素がバランスよくつまったフレームだと実感します。ただもし、キャンバスの各仮説を埋めていく中で何か整合性が(深いところで)うまくいっていないなぁ~と思うことがあれば、なぜなぜ分析も加えてみてキャンバスを改めて見つめ直してみると、より良い仮説を考えることができるかも?!
仮説を立てるのは非常に難しく、キャンバスを見つめ続けていると迷子になってしまうときが私はあったので、キャンバス+別ワークも加えてながら楽しく仮説検証していけたらなと思います。